まためんどくさそうな話ですね

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　「ランナお嬢様……」

　女性の正体はランナ・エルザベス。エルザベス家は、私の主人であり、私はエルザベス家に仕える執事である。男性の正体はアノン・ルーク。ランナお嬢様と婚約をしていた隣町の貴公子だ。

　だが、今のを聞くとなかなか険悪な雰囲気になったようだ。まだ、ただの喧嘩とかならまだしも、もっと酷い…例えば、別れ話とかだと、なかなか気持ちの整理をするのが難しいのではないかと思う。

　「ハァ………ハァ………」

　「ヴ……ヴ……」

　過呼吸、嗚咽、なかなか悲しくなったようだ。ここは、執事としてお茶などの差し入れをするべきであろう。

　私は、厨房へ向かった。

　◼️◼️◼️◼️◼️

　「おや？リトル君じゃないか。」

　リトル…私の名前だ。そして、この声の正体は、先程にも紹介したアノン・ルーク。何故か、彼は私に執拗に話しかけてくる。まぁ、べつに嫌とかそういうのではないが、「何で私？」という疑問が生まれる。

　「久しぶりだね。お茶でも入れてくれないかい？話したいなと…」
　「ですが、アノン様。ランナ様の気持ちが優れないようで、お茶をお淹れしてあげたいのです。時間が掛かりますので…今日は…」
　「問題ないさ。いくらでも待つよ。」