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クズ王子様とはわかれました!

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 「最近は、何だか執事の方が可愛く見えるな。付き合って、ちょっと無愛想になったんじゃないか?ハッハッハ。」

 耳にしつこくへばりつくような高笑い。マンダー王子は最近、やけに私に対してイラつくような言葉ばかりを話す。付き合いたての頃は、全く嫌ではない生活、むしろ永遠にこの時間にいたいと思うほどに幸せな思い出しかなかった。

 「君もそんなままで良いのかい?最近は、本当に別れても良いなー何て思ってるんだぞ。なんつってな。ハッハッハ。」

 ハァ!?今、コイツなんと言った?別れても良い?さすがにそれは、冗談ではすまされない言葉なのではないか?さすがに、クズの度が越えた発言なのではないか?

 「ん?どうしたんだよ。その表情カオはよ。聞いてなかったのか?そんな無愛想だと、本当に別れちゃうぞって。」

 なんという態度。まるで駄々をこねる娘を、バカにするかのような態度。彼は、私が一方的に自分を愛している、多少煽ったところで大丈夫、なんて腑抜けた考えをお持ちになっているのではないか?

 「王子。訂正してください。数々の発言を。さすがに、中には冗談として捉えられないようなものもありました。謝罪をしてください。私に対して。」

 そう言うと、彼はまたハッハッハと高笑いをした。

 「面白いことを言うようになったな。君も。嫌いじゃないぞ。だが、残念だが、俺は謝らない。謝るわけがないだろう。何故、母でも姉でも無い君なんかに頭を下げて謝らなくてはならないのだ。君こそ冗談がキツいぞ。身分をわきまえたまえ。」

 私の心に、ヒビが入った。それと同時に、私の堪忍袋に、穴があいた。

 「もういい。話しても無駄なら良いです。もう、別れませんか?私は正直、貴方様といるのは疲れました。不快な言葉ばかり並べられ、王子と言う立場をいいことに、調子に乗っているとしか思えません。今の貴方の様子から、全くもって王家の風格と言うものを感じられません。貴方は、王家のです。」

 言いたいことを全て言った。すると、彼はその発言に対して、怒りを感じたのであろう。私の頬にビンタをした。

 「お、王子様!!」

 周りの執事らも集まってきた。

 「それが王家の人間に対する態度か!?今の君の態度は、王家に対しての冒涜だ。もう一度言うぞ!身分をわきまえろ!君は少し養子と経済に恵まれただけのだ。」

 私は、ビンタされて痛む頬を抑え、彼に背を向けた。

 「さようなら。クズ王子さん。」
 「おい!発言に気を…」

 私は、彼の話を全く聞かずにその場から立ち去った。

 私は、実家に向かった。

 ▪️◼️⬛▪️◼️⬛▪️◼️⬛▪️◼️⬛

 そして、数日後、あのクズ王子が実家に訪ねてきた。

 「何の用?」

 すると、クズ王子は唾を飲み込んで話し出した。

 「帰ってきてくれ。頼む。早く、帰ってきてくれ。もう、あんなことは言わないから…」

 まさかの寝返りだ。あんなにボロクソ言っていたのに。

 「何を言っていたのか分からないの!?急に寝返って…」
 「分かってる。悪かったのは俺だな。確かに、君にも非があったが…」

 非があった!?何てことを言っているんだコイツは!?

 「反省していないの?まだ、ちゃんと謝りもしてないけど…」

 すると、すぐに謝るかと思えば、ためらっていた。

 「なぁ、もう良いだろ…」

 私は、察した。あぁ。コイツはまだ反省していない。

 「分かったわ。復縁は無理ね。さようなら。」
 「な、ちょっと!おい!」

 そして、バタンっと玄関のドアを閉めた。

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