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No.5

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 「じゃあ、ど、どうすれば命は助かりますか?」
 「だから、その本をこちらに渡せ。そしたら命はおろか、ここにも住まわせてやろう。それならどうだ?」

 そして、俺は黙って村長に本を渡した。と、思わせて

 「あ!!!」

 と、扉とは真逆の方向を指差しながら叫び、そこに村人らの注目が集まった瞬間、扉から外へ逃げた。

 「追え!こうなったら殺してでも奪え!」

 しかし、村人は武器を持って追っかけてきた。このままでは、人数不利的に、逃げることが出来ない…と思いきや、レベルの上昇が原因だろうか、めちゃくちゃ足が速い。

 「クソ!アイツ足が速いですよ!」
 「恐らく、あの本のせいだ。奴は既にあの本を使い、自らのレベルを莫大に高めた。となると、魔法だけでなく、あらゆる能力が莫大に上昇しているはずだ!」

 足の速さは異常で、あっという間にあの軍勢から逃げ切れることが出来た。

 「しっかし、ここからどうすれば良いんだ。いくらレベルが高いからって、野宿は嫌だな…せっかく良さげな村だったのに…」

 いくら歩いても、森は森。唯一の明かりは月のみ。不幸中の幸い、食事は終えていたので、空腹の面では大丈夫だが、このままだと睡眠の面が危うい。

 「おい。お前。そこのお前だよ…」
 「!?」

 足の速い村人が追い付いたか!っと思い、後ろを向くと、そこには見知らぬおじさん(?)がいた。
 服装は白く、良くみると、後ろに大きな鳥がいた。

 「だ、誰!?」
 「私の名前はダウガロン。転生を司る天使だ。」
 「て、転生……」

 俺は、一瞬にして察した。もしかして、経験値の書とかあったあの部屋って…コイツの部屋?

 「お前がイソミ ユウキという者だな?お前は私から「経験値の書 ∞」を盗んだ。違うか?」

 完璧にソウデース。俺が盗んじゃいマシーター。だが、相手の顔色を伺う感じ、なかなか大事らしい。だが、ここで「はい。盗みました。」といえば、恐らくさっきの村人みたいに襲ってくる。

 「ぬ、盗んでないですよ。」
 「ならば、その後ろに組んでいる手を見せてくれないか?何を隠しているんだ?」

 本を隠していることがバレバレだった。というか、ここに俺がいることも分かったのは、経験値の書が何処にあるか分かるGPS的な能力使ったからであろう。もう、無駄なのだ…

 「すいません。嘘です。持ってます。」

 そして、後ろに隠していた本を出した。
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