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しおりを挟む《登場人物》
サーナ・ムンツァル
名高いムンツァル家のお嬢様。ダラク家のイケメン貴公子アノン・ダラクと婚約するも、アノンは弟に目移りし、私に婚約破棄を言い出す。
ヘント・ムンツァル
サーナ・ムンツァルの弟にあたる。美貌な容姿から、学校でも女子からはモテモテだが、ヘントは同性愛者。それが悩みで心を閉ざしていたのだが、姉の婚約者であったアノンに好かれることで、段々と元気になってくることに…
アノン・ダラク
サーナ・ムンツァルの婚約者。イケメン貴公子として周りから一目おかれる存在で、美人お嬢様のサーナとも付き合った。しかし、サーナとの婚約は、実は親のためであり、自分の本当の性を隠してしたものであった。そして、サーナの弟、ヘントに出会い、アノンはヘントに恋をしてしまう…
◼️◼️◼️◼️
サーナは相変わらず気持ちが良かった。
結婚式を1か月後に控えることもあれば、朝、目が覚めると無数の鳥の囀りを嗜むことが出来る優雅な時間を過ごせることも気持ちが良くなる1つの理由であった。
窓から差し込む日は、1日の始まりを告げる。
ドアを開けると、丁度今しがた起きたアノンが目を擦りながらやって来る。
「おはよう。」
「あぁ。おはよう。」
化粧などしなくてもイケメンが崩れないアノンは、寝起き直後もやはり変わらなかった。
「あとついに1か月後ね。」
「ハハハ…そうだね…」
アノンは少し笑ってそう言った。若干、疲れているように見える。結婚の準備等でストレスも貯まっているのだろうとサーナは思った。
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