姉のものを奪う令嬢

天災

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 私はプレア家の次女である。

 プレア家は、昔から続く貴族であり、優雅な生活を長年続けているらしい。

 しかし、優雅な生活をしているからといい、全てが充実している訳ではない。

 私は、次女であるため、姉がいる。

 姉には、婚約している彼氏がいる。

 その彼氏は、ムルク・ウィートソンといい、イケメンの貴族である。

 誰もが羨む彼氏だが、次女の私は?となると、彼氏はいない。

 そう。顔だ。顔が充実していないのだ。

 召し使いのこんな話を立ち聞きした。

 「ローマリー(姉)に比べステア(妹・私)の顔の差は凄いですわね。」
 「本当にね、ローマリーお嬢はお顔も宜しく、直ぐに婚約が出来たのですがねぇ。ステアお嬢の未来が心配ですわ。」
 「本当に。子孫も残せず、この世を旅立ってしまうのでは?」

 昔からそうだ。

 姉だけがパーティーに呼ばれたり、姉だけが貴族の家に呼ばれたり。

 私は、顔が悪い。

 私は、顔が醜い。

 それは重々理解している。
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