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No.1
しおりを挟む「ねぇ?アデノワール。最近、ラニャンサと仲良しこよししてるけど、どういうこと?別に仲良くするなとは言わないけど、あまりにも仲良くしすぎな気がするわ。」
ラニャンサは、悪役令嬢の一人であり、アデノワール公爵令息の彼女でもある。ラニャンサは言わば「メンヘラ」や「ヤンデレ」といわれる立場にあり、アデノワールに群がる女子を執拗に嫌う。
「ごめん。ラニャンサ。少し加減するよ。」
「ご、ごめんなさい…つい言い過ぎちゃったわ。」
しかしアデノワールはラニャンサに対して弱々しい立場にいる。アデノワールがラニャンサに対して反論や異論をぶつけて喧嘩みたくなっているのを見たことがない。まるで奴隷のようにアデノワールはラニャンサの指示に従い続けた。
そして、その結果的にラニャンサの束縛性も強くなったのであろう。
アデノワールがラニャンサに対して弱々しい立場をとるのは、理由がしっかりある。それは、二人目の悪役令嬢であるミマの存在だ。アデノワールとミマはラニャンサから隠れて付き合っている。つまり、アデノワールは浮気している。
運も味方したのか、アデノワールとミマの関係はラニャンサにバレていない。そのため、アデノワールとミマの関係は良くなる一方である。
そして、面白いのがミマも「メンヘラ」や「ヤンデレ」と言われる束縛系女子である。なら、ミマは何故ラニャンサを攻撃しないかと言うと、ラニャンサと比べると、比較的大人しく攻撃的ではないからである。
それに、ラニャンサから隠れてアデノワールと付き合っているという事実があり、それは理論上、「アデノワールはラニャンサより自分が好きなのではないのか」となり、ラニャンサがアデノワールを奪っていこうとしない限り、こそこそとアデノワールと恋愛をしていこうとミマはしているのだ。
しかし、時は流れ、その3人に関係した事件(?)が起こった。
とうとうラニャンサが、アデノワールとミマの関係に目をつけ始めた。ずっとこそこそとしていたのだが、恋愛は進展していき、結構目立つような仲の良さになってしまった。
そのため、まるで恋人同士のような仲で接しているのが、ラニャンサの目に写ったのである。
そして、その場面に空気を読まずラニャンサは突撃した。
「ねぇ、ミマ……私のアデノワールとはどういう関係?」
「え?……っと……い、…いや…」
アデノワールもこれは不味いという表情が顔に出ていた。
「アデノワール。浮気でもしたの?私よりミマの方が好きになったの?」
ラニャンサは、アデノワールにどんどん迫る。アデノワールもどうすれば良いのかもう分からないような顔をしている。だが、キリッと顔の表情を切り替え、二人の前に堂々と立った。
「二人とも!ごめん!俺が好きなのは、レイアだー!!!」
彼は、私の名前を叫んだ。
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