悪役な姉に全てを吸収された妹の脇役令嬢ですが、姉のことをざまぁすることに成功しました。

悪役な姉に全てを吸収された脇役令嬢ですが、姉をざまぁすることに成功しました。

　私は令嬢であるが、絵に書くような美女で気品のある令嬢ではなく、モブ同様の脇役令嬢である。

　何故なら、私にとって悪である姉に、全てを吸収されたため、私に良いところは何一つとない。

　そして、その代わりにその姉は美人で気品もあり、八方美人でどんな男性からも愛される。こんな皮肉なことはあるのだろうか。

　「ごめんなさいね。アンナ。ミンナお姉さんがあなたから全てを奪っちゃって。そして、あなたの好きな人も皆奪っちゃって。申し訳ないと思うわ。だけど、仕方ないでしょう？私がこんなにも美しいのだから。」

　そう。私の好きな人も、全て彼女が奪ってきた。まるで私からものを奪うように、私が好きな男子を誘惑し、私には目もくれない程にしてきたのだ。

　彼女は、妹の私が苦しんでいくのが大好きなのだ。同じ姉妹だとは思えない。こんな姉、本当に消えてほしい。

　彼女には、いいなずけがいる。私にはもったいない、国一番のイケメン騎士のエリックだ。

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　「やぁ。アンナ。久しぶりじゃないか。」
　「こんにちは。エリックさん。」

　久々に、エリックさんの家に訪ねた。姉に命じられて、わざわざ遠いエリックさんの家に行った。私なら、別に近付けても大丈夫だと思われているからであろう。

　「本当にアンナは可愛いよね。付き合いたいな、アンナと。」
　「そんな冗談やめてください。それに、エリックさんには私よりも何倍も可愛い私の姉がいます。」
　「え？そうなの？俺はアンナ推しだけどな…」
　「だから冗談はやめ」

　私は、エリックから急にキスをされた。顎をクイッとあげられ、キスをされた。

　「！？」

　私は、顔が真っ赤になってしまった。

　「信じてくれた？付き合おう。アンナ…」

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　そのことを聞いたミンナは、酷く落ち込み、寝込んでしまった。だが、今までされてきたことを思えば、ざまぁ、という気持ちしかない。

　そして私はエリックと付き合い、婚約しましたとさ。