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鬼(悪役令嬢)は外!福(公爵)はうち!

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 これは、とある国の話。

 春に、鬼を豆に投げるという行為があり、今は鬼はいないが、鬼=不運という捉え方から、行事は長年に渡って行事として引き継がれた。

 とある国の令嬢は、その豆を民衆(女性)に向かって投げるという何とも不快で不謹慎な行為をしていた。それは、令嬢のお気に入りの公爵が民衆(女性)に取られないように、という意味合いらしい。

 いくらとられたくないからといい、あまりにも民衆(女性)に喧嘩を売るような行為である。

 私は、そんな令嬢に腹を立てながら、豆を投げた。

 「鬼は外!福はうち!」

 (鬼をこうやって追い出してるうちに、招かれようとしている彼氏も追い出してしまったらどうしよう…)

 そんな思いをしながら、豆を投げていた。

 「イテッ!」

 なんと、投げた豆が誰かに当たってしまった。

 「ちょっ!何でそんなこところにいるの!」

 彼は、公爵だ。え!?何で公爵が!?となるかもしれないが、実は公爵とは幼き友達であった。

 「すまない。急にお尋ねしてしまって。単刀直入に言うと、付き合ってほしい。早いこと言わないと、お互いに危ないと思ってな。」
 「は?え、ちょ、は?」

 私は、気持ちの整理が追い付かなかった。

 「だから、付き合ってほしい。いつ言おうか迷っていたが、最近、あの令嬢はしつこさが増してきたし、君も、いつ他の男にとられるか分からないから、今しかないと…」
 「え?じゃあ、君は私のことが好きなの?」
 「あぁ。だから、付き合ってほしいと。」

 どうやら、福はうちに、来たようですね。

 皆さんも、豆を投げてみては?

 
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