どうぞお幸せに。糞共様。

天災

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どうぞ。お幸せに!

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 私は今何を見せられているのだろうか。


 淫らに脱ぎ捨てられた衣服や下着、そして耳鳴りのように耳障りでしつこく、そして不快な聞き慣れた声が混ざる喘ぎ声。


 白く映る重なった肌。見慣れた顔が行うキス。


 そう。彼は私の夫であり、彼女は私の姉である。今、彼らは互いに重なりあっている。愛を育んでいる。私という存在を差し置いて、私という存在を忘れて、禁断の恋、行為を楽しんでいる。


 私に述べてきた愛はそんなに薄っぺらいものであったのか。今までの愛を怒りにかえさせてくれるような景色だ。


 小動物の死体のように、心に苦しみ、不快感を存分に与える景色だ。


 まぁ、小動物の死体の何倍も気持ち悪く、不快であるが。


 そんな景色が、私の目の前に移っている。姉にようがあって、夜分訪れた姉の部屋であるが、こんなにも、気持ちが悪い場所だとは、思いもしなかった。


 二人は、私の姿を見た瞬間、重なったまま固まっていた。硬直していた。


 そして、私も一分ほど固まっていたと思う。そして、すべてを理解したとき、目から自然と大量の涙が流れ、どうして良いかわからずに廊下を走った。息が切れて倒れるまで、ずっと走っていた気がする。


 夫と姉の名前を連呼して、気を失うまで。


 だけど、気を失う寸前に、私はにっこりと笑って、笑顔になった。その時に、一言放った言葉がある。


 「さようなら。私の愛する人。そして、お姉さんとお幸せに!」



 

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