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しおりを挟む吾輩は、オタクである。名前は、佐山 千代子。
昭和くさい名前であるが、性格は現代人の一種とも言える「オタク」に分類される。
ライトノベルに魅了され、悪役令嬢やざまぁといった系統の小説を目がえぐりこむほど読んでいた。そして、読んでいくにつれ、主人公のように、甘くて苦くて酸っぱい思いをたくさんしてみたいと思うようになった。
とはいえ、あれらの物語は殆どが現実味がないものばかりだ。つまり、あのような体験は現代では滅多に、というかほぼ絶対にすることがないということ。
「めっちゃ豪華な家で、めっちゃ豪華な生活して、イケメン貴公子にちやほやされたいなぁ。」
私は、今日もあるアプリで恋愛ジャンルの(悪役令嬢やざまぁ系統の)ライトノベルを堪能していた。
すっかり、夜遅い時間になっていた。
「ん?何だ?」
スマホの光が急に強くなったように感じた。寝不足かと思い、もう切り上げようと電源をきろうとしたが、画面は消えない。光は強くなる一方だ。
「え?どういうこと!?」
光は視界を全て包み込んだ。ベッドの上は、スマホのみとなった。
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