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とある天気の良い日にざまぁされました

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 今日は天気が良いから外へランチにでも行こうと彼氏に誘われた。彼氏は令息で私が無理矢理とある平民から奪った彼氏である。一言で言えば、寝取ったのだ。

 だが、彼氏も幸せそうだ。何故なら、私を抱いて、私を大好きになったからである。それに、平民なんかより、私のような令嬢の方が、貴族同士気が合うものだ。

 本当に天気が良い。緑が気持ちい。

 「ここにしよう。良い匂いもするし。腹ペコだよ。」
 「えぇ。分かったわ。」

 そして、とあるレストランに入った。レストランに入った瞬間から、少し彼氏の様子が変わった。

 「どうしたの?」
 「いや、何でもないよ。」
 「何か気になる?お店変えようか?」
 「いや!変えないで!ここが良い。」

 レストランは特になんの変哲もない。何が気になるのだろうか。

 「お待たせしました。ご注文は?」
 「じゃ、じゃあ、ハンバーグを。それで良いよね?」
 「え、ええ。」

 とても動揺している。ただの一人の女性店員に対して。

 「ちょ、ちょっとトイレに行ってくる!」
 「あ、分かったわ。」

 そうか。トイレで動揺していたのか。でも、あそこまで動揺するかな?ん?

 よくみると、トイレの奥で、誰かと喋っている。誰だ?遮蔽物のせいでよく見えない…

 とても長い時間話している。ハンバーグはもう来ているというのに…

 ⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛

 「ごめん。待たせた。」
 「あ、もう大丈夫なの?というか、その方は?」

 後ろに、さっきの女性店員さんがいた。

 「あのさ、俺たち、もう別れよう。」
 「はぁ!?何でそうなるの!?結婚の話もあったよね!?」
 「俺さ。また姿を見て思い出したんだ。やっぱり、彼女が一番の運命の相手だ。」
 「覚えていますか?さん。」

 その女性店員は、帽子を外した。すると、その顔は、私が彼氏を寝取った相手だった。

 「な、何で…」
 「よく思えば、アンタは犯罪者のクズ女だ。もう目を覚ましたよ。さようなら。会計はしとくから、帰ってくれ。もう会いたくない…」

 さえずりも絶えないこの天気の良い日に、私の運は尽きて、とうとうざまぁされてしまった。
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