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しおりを挟む掃除を終えると、手を洗って早速カウンターに立ってコーヒーを煎れる。まだお客さんが来てないのに早くないか?と思うかもしれないが、オープンしてすぐに来るお客さんがいるのだ。
カランコランカラン
「いらっしゃーい!」
「いつものお願いね。」
このお客さんこそ、オープンしてすぐに来る常連客の羽根山 徹さんである。「いつもの」というのは、コーヒーに半トースト2枚と目玉焼きという羽根山さんオリジナルモーニングセット(500円)である。
羽根山さんはすぐ近くの会社で働いており、余裕を持ってここで朝食をとって会社に向かう。
窓際の席に座ると、新聞を広げて読む。どうやら羽根山さんには、あやかし達が見えていないらしい。
「おまちどおさま。」
「ありがとう。」
また、コーヒーには必ずシュガースティックを2本添えることが決まりである。(羽根山さんのモーニングセットにおいて)
この時間帯はまだ羽根山さんぐらいしか来ない。少したつと、散歩がてらに訪れるおじいさんやおばあさん、赤ちゃんを連れて訪れる若いお母さん、たまたま仕事が休みで訪れるサラリーマンなど、色んな人が訪れに来る。
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