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しおりを挟む「ここか…」
武道場に来るのは初めてだった。予想通り、ムキムキのゴツい男や女ばかりであった。
「なんだアイツ。魔法使いじゃねぇか。」
「ふん。か弱い小鹿が何しに来たんだ。」
やはり、周りの視線は痛かった。
「本日はどういった用件で?」
「えぇと、攻撃力の測定を。」
すると、店員の人は私の体を未来を下から上まで見て「フッ」と少し鼻で笑った。
「分かりました。ご案内しましょう。」
攻撃力の測定方法は、いたってシンプルだ。計りが横になったような形の測定器に攻撃し、その沈み具合から独自の単位で割り出す。
ちなみに、男の平均攻撃力は1300、女は800だ。
攻撃力測定場には人々が多く集まっていた。
「おぉ!3000だ!3000が出たぞ!」
血の滲んだメリケンサックをつけた坊主の大男は3000という数値を叩き出した。
「おい!こっちは女で2500だぞ!」
こちらは剣での測定。刃物等の武器は攻撃力が高いが2500という数値は刃物ではなく、あきらかにこの女の実力である。
そんな中、私の番が回ってきた。
「おい、あれ魔法使いじゃね?」
「何しに来たのかしら。あんな貧弱な体で。」
「おい!バカがいるぞ!」
「3桁にのらないに10000ルビー!」
数々の罵倒を受ける。
(大丈夫。大丈夫。)
杖を構える。
「やぁ!」
ーバギャァァァン
杖を振りかざした瞬間、測定器は木っ端微塵になった。
周りの罵倒を飛ばしてきた輩はポカーンと口と目をあけていた。先ほど私を鼻で笑ってバカにしてきた店員も気絶しかけていた。
「おい…あれはどうなんだ?」
「あきらかに10000は越えたぞ。」
「いや、もっとだ。これは実質100000まで耐えるらしいぞ。」
周りのどよめきは絶えなかった。
(やりすぎたーー!ってかなんでこんなに強いの!?)
気絶しかけた店員は、私の能力値の書類にこう書いた。
【攻撃力 ∞】
「え!?∞!?無限ってこと!?」
「今のところはそうでしょうね…測定不可なんで…」
店員もすっかり私にビビっていた。
「あ、料金は…」
「い、いえ!料金だなんて…どんでもない!お気をつけてお帰りください!」
「は、はぁ。」
ラッキーなことに、攻撃力測定を無料にしてもらった。
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