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第11話 あんなことをした結果 俯瞰視点

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「ゴキブリぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
「ぴえろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
「しにがみいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

 セザールとクリステルとブランディーヌが連れてこられた、研究施設の地下にある部屋。そこでは今日も、3人の悲鳴が響いていました。

「ゴキブリがぁあああああああああああああああああ!!」
「ぴえろがぁああああああああああああああああああ!!」
「しにがみがああああああああああああああああああ!!」


 今はもう全員が、目の前にあるのは幻だと理解しています。
 ですがソレにはリアリティがあり、実際に存在しているような感覚がある。そのためセザール達は実在しないと分かっていても、怯えてしまっているのです。

「いやだぁあああああああああああああああああ!! 助けてくれええええええええええええええええええええええええええ!!」
「いやぁああああああああああああああああああ!! 助けてぇえええええええええええええええええええええ!!」
「いやぁぁぁあああああああああああああっっ! 助けぇええええええええええええええええええええええええ!!」

 セザールもクリステルもブランディーヌも。好き放題して生きているだけなら、許されていました。
 ですが、アンジェリクが生み出したもの全てを手中に収めようとしたため――領民たちに一切還元しようとしなかったため、人生が一変することとなってしまいました。

「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!」

 薬が完成するまで、こんな日々を繰り返さないといけなくなってしまいました。
 そして――

「お嬢様。例の件ですが、話がまとまりました」
「そう、ありがとう。さすがに、一生あそこに居続けるのは酷だものね。これが終わったら、別の形で世の中に役立ってもらいましょう」

 ――完成して自由になったあとは、鉱山での労働が待っています。

 これまで使用したお金を自らの身体で捻出し、以降の利益は全て領民たちの暮らしのために使用される。


 役に立たないのなら、無理やり役に立たせる。


 この苦しみから解放されたあとも、別の苦しみが待っていて――

「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 セザール。クリステル。ブランディーヌ。
 3人はその命が尽きるまで一生涯、『苦労』と共存してゆく羽目になってしまったのでした。



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