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第9話 本当の、最悪へ 俯瞰視点(2)
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「だが、よい玩具(おもちゃ)にはなる。3匹とも受け取っておこうじゃないか」
ニヤリとした薄笑い。そんな表情と共に出た言葉によって、セシール達はあっという間に絶望のどん底に叩き落されることとなるのでした。
「ふむ、ワシも少々大人げなかった。おぬしらの気持ちは、よおく伝わった。あの件は水に流そうではないか」
「まことでございますか!! 痛み入ります!」
「このご恩、一生忘れません!!」
ロンテイエ家は助かった。
ルーラントとゾウルの顔は安堵で緩みますが、その背後にいる3人の顔は絶望で歪んでいました。
「好みでない不細工な女と、愚かな男と女。どうしようもない連中でも、違う形でならワシを楽しませることができるじゃろうな。存分に使わせてもらうぞ」
「「はっ!」」
((かっ、神様!! 助けてください!!))
((神様!! 助けてください!!))
((神様ぁあああ!! わたくしをたすけてえええええ!!))
こんな人間の所有物になってしまったら、地獄のような日々が待っている。そう確信した3人は、涙を流しながら祈ります。
((神様!! お願いします!!))
((神様!! お願いします!!))
((神様っ!! お願いしますっ!!))
本当に困った時、人生で1度だけ神が手を差し伸べてくれる――。この国にはそんな言い伝えがありますが、差し伸べてもらえるのは『善良な者』のみとされています。
『セシール、気分はどうだい? 足りなかったら水を用意させるぞ?』
『ベネディクトに遠慮なんて要らないわ。持ってこさせましょうか?』
『今日はもういいですわ。湯浴みをして、甘い物でも食べますわ』
『それがいい、ケーキを用意させよう。……ベネディクト。そこを拭いておけ』
洗脳して自分達が幸せになるための道具にしたり、ストレスの発散に使ったり。セシールもドリアーヌもブリアックも善良からはかけ離れた存在となっていて、そんな人間が助けてもらえるはずがありません。
((かみさまぁあああああああああああああ!!))
((かみさまぁあああああああああああああ!!))
((かみさまぁあああああああああああああ!!))
「ワシに良い考えがある。そいつらをあそこへ運んでおけ」
「「「「「承知いたしたしました」」」」」
3人はロバールの関係者によって、別室へと連れて行かれて――
ニヤリとした薄笑い。そんな表情と共に出た言葉によって、セシール達はあっという間に絶望のどん底に叩き落されることとなるのでした。
「ふむ、ワシも少々大人げなかった。おぬしらの気持ちは、よおく伝わった。あの件は水に流そうではないか」
「まことでございますか!! 痛み入ります!」
「このご恩、一生忘れません!!」
ロンテイエ家は助かった。
ルーラントとゾウルの顔は安堵で緩みますが、その背後にいる3人の顔は絶望で歪んでいました。
「好みでない不細工な女と、愚かな男と女。どうしようもない連中でも、違う形でならワシを楽しませることができるじゃろうな。存分に使わせてもらうぞ」
「「はっ!」」
((かっ、神様!! 助けてください!!))
((神様!! 助けてください!!))
((神様ぁあああ!! わたくしをたすけてえええええ!!))
こんな人間の所有物になってしまったら、地獄のような日々が待っている。そう確信した3人は、涙を流しながら祈ります。
((神様!! お願いします!!))
((神様!! お願いします!!))
((神様っ!! お願いしますっ!!))
本当に困った時、人生で1度だけ神が手を差し伸べてくれる――。この国にはそんな言い伝えがありますが、差し伸べてもらえるのは『善良な者』のみとされています。
『セシール、気分はどうだい? 足りなかったら水を用意させるぞ?』
『ベネディクトに遠慮なんて要らないわ。持ってこさせましょうか?』
『今日はもういいですわ。湯浴みをして、甘い物でも食べますわ』
『それがいい、ケーキを用意させよう。……ベネディクト。そこを拭いておけ』
洗脳して自分達が幸せになるための道具にしたり、ストレスの発散に使ったり。セシールもドリアーヌもブリアックも善良からはかけ離れた存在となっていて、そんな人間が助けてもらえるはずがありません。
((かみさまぁあああああああああああああ!!))
((かみさまぁあああああああああああああ!!))
((かみさまぁあああああああああああああ!!))
「ワシに良い考えがある。そいつらをあそこへ運んでおけ」
「「「「「承知いたしたしました」」」」」
3人はロバールの関係者によって、別室へと連れて行かれて――
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