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第9話 原因を突き止めた? ローラ視点(2)
しおりを挟む「………………ローラ、カプシーヌ、来ていたのか……。………………どうやら今は、大変な事が起きているようだ……」
あたし達が席について、10秒くらいあと。パパはようやく、あたし達の存在に気付いた。
目の前にいて、声をかけたのに、全然気が付かないなんて……。別行動をしている間に、一体何があったの……?
「あ、あなた……。どうしたというの……? 何を知ったの……?」
「……お前達と別れてから、わたしは様々な権威に相談した。だが、誰一人として原因を解明することはできなかった……」
パパは顔が広くって、かなり偉くて賢い人との繋がりがいくつもある。でもやっぱり、それでもダメだったみたい。
「そこで傍にある王立図書館を訪れ、書物を頼りに情報を集めることにしたのだよ……。そうしたら………………」
「「そ、そうしたら……?」」
「そこでな……。こんなものを見つけたんだよ……」
パパはウェイターさんに許可を取ってテーブルに本を出し、しおりを挟んでいたページを開いて見せてくる。だからママと一緒に見てみたら……………………はあ!?
《霊に憑依》
そこには、そんな文字が並んでいた。
「ニナの激変の理由は、恐らくコレ……。外出中に憑依され、ニナの思考回路に干渉――ニナと混ざり合っていて、徐々に支配をしているようなのだ……」
「あ、あなた、何を言っているの……? そんなはずはないわよ」
「そ、そうだよパパ。ここにある少女が憑依された話って、その村出身のホラー作家が156年前に言っていたことって書いてるもん。この経験を切っ掛けにしてホラーの道に進んだって書いてるから、これってその人の嘘。宣伝の一種だよ」
自分は確かに見たんだっ、経験したんだっ。こんな風に言っておけば完全に否定はできないし、不思議なことを言ってたら話題にもなるもんね。
大体、この世に幽霊なんていない。どれもこれも作り話だってば。
「パパ、考えすぎだよ。それはあり得ないからっ。絶対にないから――」
「……わたしも、最初はそう思っていた……。だが無性に気になり、その村を訪ねてみたのだよ……」
え!? ここって国境付近にあるものの、隣国なのに。パパ、わざわざ行ったの!?
「そうしたら、な……。作者の子孫や村の人々から、詳しい話を伺うことができてな……。そこで、恐るべき事実を知ってしまったんだよ……」
「「………………」」
パパが、震え始めた。
こんなにもなっちゃう、恐るべき事実って……。なに……?
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