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第18話 身勝手な者の末路その2~元家族の場合~ 俯瞰視点
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「ちくしょうめ……!!」
「許せないわ……!!」
「くそが……!!」
シュザンヌに復縁を断られてから、半年後。元家族であるコランタン、シビル、ベルナールの姿は、山奥の畑にありました。
『この役立たずが!!』
『役立たず!!』
『役立たずがっ!!』
シュザンヌへの暴言や暴力が明るみになることは、ありませんでした。しかしながら『公の場でのこれまでの言動』と『シュザンヌが関わりを絶っている』という事実が合わさったことにより、貴族界からも世間からも――あらゆるところから、白い目で見られるようになってしまいました。
『貴方がたが「モファクーナ家」に居たままでは、家の存続に関わります。この屋敷を去っていただきますよ』
『待ってくれ実弟! 我々にはシュザンヌを――偉大なる聖女様を生んだ功績がある! 匿ってもらえる資格はあるぞ!!』
『そうよ! 当然の権利よ!』
『こんなことになっても、プラスの方がまだ多い!! 功労者を労え!!』
『以前から僕も口にしていたように、兄さん達はなにもしていない。教育面も含めてね。……そんな人間に伸ばす手などありませんよ』
そのため一族から追放されてしまい、路頭に迷うこととなりました。更には顔を知られているためまともな場所で雇ってはもらえず、農作業をして――放棄された土地を勝手に使用して、自給自足の生活を送らないといけなくなっていたのです。
「貴族のわたしが、こんな肉体労働をしなければならんなんて……!!」
「わたくし達は、使う側の人間だったのに……!!」
「あり得ない……!!」
「シュザンヌが佐々岡春奈より美しければ、殿下も解任なんてしなかった……! 役立たずなどと言うこともなかった……! シュザンヌのせいだ……!」
「そうよ……! シュザンヌのせいよ……!」
「俺達は、そこまで悪くない……!!」
「そもそもシュザンヌが注意しないのが悪いんだ……!!」
「ちゃんと注意していたら、わたくし達だって改めていたわ……!!」
「ここも悪いのはシュザンヌじゃないか……! 自分も非があるくせに被害者ぶりやがって……! ふざけるな……!! 俺達の日常を返せ……!!」
時間が経っても環境が変わっても、3人は3人。今日も今日とて農作業をしながら、理不尽な呪詛を吐き散らします。
そして――
「死ね……!! 死んでしまえ……!!」
「産んで育ててあげた人たちを苦しめた罰よ……! 地獄に落ちなさい……!!」
「加害者だけが幸せになるなんて、許さないぞ……!! 地獄に落ちてっ、苦しみ続けろ……!!」
何度も何度もこういったことを口にし続けたから、なのでしょうか? 罰が当たってしまったのでしょうか?
その後3人は苦労ばかりが発生するようになり、365日様々な理由で苦しむという――生き地獄を味わいながら、生きていくこととなったのでした――。
○○
そして。
身勝手な者は、もう一人存在していて――
「許せないわ……!!」
「くそが……!!」
シュザンヌに復縁を断られてから、半年後。元家族であるコランタン、シビル、ベルナールの姿は、山奥の畑にありました。
『この役立たずが!!』
『役立たず!!』
『役立たずがっ!!』
シュザンヌへの暴言や暴力が明るみになることは、ありませんでした。しかしながら『公の場でのこれまでの言動』と『シュザンヌが関わりを絶っている』という事実が合わさったことにより、貴族界からも世間からも――あらゆるところから、白い目で見られるようになってしまいました。
『貴方がたが「モファクーナ家」に居たままでは、家の存続に関わります。この屋敷を去っていただきますよ』
『待ってくれ実弟! 我々にはシュザンヌを――偉大なる聖女様を生んだ功績がある! 匿ってもらえる資格はあるぞ!!』
『そうよ! 当然の権利よ!』
『こんなことになっても、プラスの方がまだ多い!! 功労者を労え!!』
『以前から僕も口にしていたように、兄さん達はなにもしていない。教育面も含めてね。……そんな人間に伸ばす手などありませんよ』
そのため一族から追放されてしまい、路頭に迷うこととなりました。更には顔を知られているためまともな場所で雇ってはもらえず、農作業をして――放棄された土地を勝手に使用して、自給自足の生活を送らないといけなくなっていたのです。
「貴族のわたしが、こんな肉体労働をしなければならんなんて……!!」
「わたくし達は、使う側の人間だったのに……!!」
「あり得ない……!!」
「シュザンヌが佐々岡春奈より美しければ、殿下も解任なんてしなかった……! 役立たずなどと言うこともなかった……! シュザンヌのせいだ……!」
「そうよ……! シュザンヌのせいよ……!」
「俺達は、そこまで悪くない……!!」
「そもそもシュザンヌが注意しないのが悪いんだ……!!」
「ちゃんと注意していたら、わたくし達だって改めていたわ……!!」
「ここも悪いのはシュザンヌじゃないか……! 自分も非があるくせに被害者ぶりやがって……! ふざけるな……!! 俺達の日常を返せ……!!」
時間が経っても環境が変わっても、3人は3人。今日も今日とて農作業をしながら、理不尽な呪詛を吐き散らします。
そして――
「死ね……!! 死んでしまえ……!!」
「産んで育ててあげた人たちを苦しめた罰よ……! 地獄に落ちなさい……!!」
「加害者だけが幸せになるなんて、許さないぞ……!! 地獄に落ちてっ、苦しみ続けろ……!!」
何度も何度もこういったことを口にし続けたから、なのでしょうか? 罰が当たってしまったのでしょうか?
その後3人は苦労ばかりが発生するようになり、365日様々な理由で苦しむという――生き地獄を味わいながら、生きていくこととなったのでした――。
○○
そして。
身勝手な者は、もう一人存在していて――
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