8 / 27
第5話 どうするどうするどうする……⁉ ガエル視点(1)
しおりを挟む
「くそがぁ!! エメリーっ、ベルナール!! こんなにも人が頼んでいるのに……!! ふざけたヤツらだ!! アイツらはクズだ!!」
馬車が出発してから、およそ1分後。俺は車内の壁を殴り、大声を上げていた。
別に、体を傷付けたわけじゃないだろう!? 別れ話なんてよくあるだろう!? 犯罪行為でもなかっただろう!? なのにアレだ!!
ふざけてやがる!!
「ちょっとした判断ミスをここまで責めるなんて……!! アイツらは失敗をしないのかっ!? するに決まってる!!」
だったらそういったことも考慮して対応するべきなんだ!! そんなものさえもできないなんて、あの男と女は人の姿をしたゴミ!! 汚物だ!!
「もういい!! 俺は人、だからな!! 汚物なんぞの手は借りん!! この問題は自分自身で解決してやる!!」
今一度、壁を思い切り殴る。そうして苛立ちを無理やり発散させ、今後について考えることにした。
「ファスティーヌ……。あの女は、どうやって父上と母上を操っているんだ……?」
改めて、当時の状況を振り返る。
20分の密会のあと、態度が激変した。2人は他者に譲るような人間ではないにもかかわらず、結婚すれば即一任すると言い出した。
「…………偽装、粉飾、不正……? ファスティーヌは何らかの形で商会の弱みを握り、それを使って脅した?」
いいや、それはない。
ソレらは経営陣にしか分かり得ない秘密。いくらファスティーヌが上級貴族であっても、商会に深く食い込まない限り把握できないものだ。
「となれば…………。やはり可能性は、洗脳か……」
どんな方法を使ったのかは、分からない。そういったものは物語や演劇でのみ存在する、創作の一種だと思っていたが……。
それしかあり得ないんだ。父上と母上は、操られてしまっているのだろう。
「……洗脳や乗っ取りは、犯罪行為だ……。犯罪行為ということは……っ」
治安機関が取り締まるべき問題だ!
「そうだっ、そうじゃないか! 俺は何をやっていたんだっ! 最初からソコを頼っておけばよかったんじゃないかっ‼」
動揺によって、正常な思考ができなくなってしまっていたらしい。悪事を働いているのなら、ソレを懲らしめる存在に助けを求められばいいだけだ!!
「御者!! 最も近くの治安局を目指せ!!」
見落としてしまっていた俺は大きく息を吸い込み、高らかに指示を出したのだった。
はははっ! はははははっ! エメリー、ベルナールっ、残念だったな!! お前ら如きの手を借りなくても、問題は解決するぞ!!
馬車が出発してから、およそ1分後。俺は車内の壁を殴り、大声を上げていた。
別に、体を傷付けたわけじゃないだろう!? 別れ話なんてよくあるだろう!? 犯罪行為でもなかっただろう!? なのにアレだ!!
ふざけてやがる!!
「ちょっとした判断ミスをここまで責めるなんて……!! アイツらは失敗をしないのかっ!? するに決まってる!!」
だったらそういったことも考慮して対応するべきなんだ!! そんなものさえもできないなんて、あの男と女は人の姿をしたゴミ!! 汚物だ!!
「もういい!! 俺は人、だからな!! 汚物なんぞの手は借りん!! この問題は自分自身で解決してやる!!」
今一度、壁を思い切り殴る。そうして苛立ちを無理やり発散させ、今後について考えることにした。
「ファスティーヌ……。あの女は、どうやって父上と母上を操っているんだ……?」
改めて、当時の状況を振り返る。
20分の密会のあと、態度が激変した。2人は他者に譲るような人間ではないにもかかわらず、結婚すれば即一任すると言い出した。
「…………偽装、粉飾、不正……? ファスティーヌは何らかの形で商会の弱みを握り、それを使って脅した?」
いいや、それはない。
ソレらは経営陣にしか分かり得ない秘密。いくらファスティーヌが上級貴族であっても、商会に深く食い込まない限り把握できないものだ。
「となれば…………。やはり可能性は、洗脳か……」
どんな方法を使ったのかは、分からない。そういったものは物語や演劇でのみ存在する、創作の一種だと思っていたが……。
それしかあり得ないんだ。父上と母上は、操られてしまっているのだろう。
「……洗脳や乗っ取りは、犯罪行為だ……。犯罪行為ということは……っ」
治安機関が取り締まるべき問題だ!
「そうだっ、そうじゃないか! 俺は何をやっていたんだっ! 最初からソコを頼っておけばよかったんじゃないかっ‼」
動揺によって、正常な思考ができなくなってしまっていたらしい。悪事を働いているのなら、ソレを懲らしめる存在に助けを求められばいいだけだ!!
「御者!! 最も近くの治安局を目指せ!!」
見落としてしまっていた俺は大きく息を吸い込み、高らかに指示を出したのだった。
はははっ! はははははっ! エメリー、ベルナールっ、残念だったな!! お前ら如きの手を借りなくても、問題は解決するぞ!!
1
お気に入りに追加
1,894
あなたにおすすめの小説
【完結】豊穣の聖女な私を捨てない方がいいと思いますよ?あっ、捨てるんですか、そうですか・・・はーい。
西東友一
恋愛
アドルド王子と婚約し、お祝いに必要だからと最高の景色と最高の料理のために、花々や作物に成長魔法を掛けろと言われたので、仕方なく魔法をかけたら王子に婚約破棄されました。
あの~すいません、私の魔法の注意事項をちっとも聞かなかったですけど、私はいなくなりますよ?
失礼します。
イラストはミカスケ様(イトノコ様)の物を使用させていただいてます。(7/8より)
私は見た瞬間感動しました。よろしければ、絵師様も応援してあげてください。
※※注意※※
・ショートショートから短編に変更です。まだ私の実力ではショートショートは難しいようです。
25話以内に収まる予定です。お忙しい皆様本当にごめんなさい。
・一部過激性的表現と思われるかもしれません。
・ざまぁへのための布石で、不快な思いをされる方がいるかもしれません。
・朝見るものじゃないかも。深夜にアップするので深夜に見てください?いや、皆さんは目が肥えているから大丈夫かも?
・稚拙な内容でこんな程度で、ここまで注意書きするなよって、なるのが一番申し訳ないかもです。
【完結】どうか、ほっといてください! お役御免の聖女はあなたの妃にはなれません
Rohdea
恋愛
──私はもう、あなたのお役に立てないお役御免の聖女です。
だから、もうほっといてください!
なぜか昔から予知夢を視ることが出来たミリアは、
男爵令嬢という低い身分ながらもその力を買われて
“夢見の聖女”と呼ばれ第二王子、ヴィンスの婚約者に抜擢されていた。
いつだって優しくて、自分を大切にしてくれるヴィンスのためにその力を使い、
彼をずっと側で支えていく。
ミリアの視ていた未来ではそうなるはずだった。
ある日、自分なんかよりもっと強い力を持っているらしい“本物の聖女”が現れるまでは───
そしてお役御免となった元聖女ミリアは逃げ出す事にしたけれど、
実はミリアには“隠された力”があったようで?
そして、ヴィンスは───……
【完結】偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね!
kana
恋愛
母親を亡くし、大好きな父親は仕事で海外、優しい兄は留学。
そこへ父親の新しい妻だと名乗る女性が現れ、お父様の娘だと義妹を紹介された。
納得できないまま就寝したユティフローラが次に目を覚ました時には暗闇に閉じ込められていた。
助けて!誰か私を見つけて!
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・
悪役令嬢は倒れない!~はめられて婚約破棄された私は、最後の最後で復讐を完遂する~
D
ファンタジー
「エリザベス、俺はお前との婚約を破棄する」
卒業式の後の舞踏会で、公爵令嬢の私は、婚約者の王子様から婚約を破棄されてしまう。
王子様は、浮気相手と一緒に、身に覚えのない私の悪行を次々と披露して、私を追い詰めていく。
こんな屈辱、生まれてはじめてだわ。
調子に乗り過ぎよ、あのバカ王子。
もう、許さない。私が、ただ無抵抗で、こんな屈辱的なことをされるわけがないじゃない。
そして、私の復讐が幕を開ける。
これは、王子と浮気相手の破滅への舞踏会なのだから……
短編です。
※小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿しています。
【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます! ーヘイズ留学 暗躍編ー
愚者 (フール)
恋愛
エテルネルの筆頭公爵令嬢プリムローズ・クラレンスは、周りが誰もが認める才女。
わずか10歳で自国の学業を終えて、孤高の島国ヘイズへ意気揚々留学をしに向かっていた。
彼女には何やらどうも、この国でしたい事があるようだ。
未開の地と他国から呼ばれる土地へお供するのは、専属メイドのメリーとヘイズに出身で訳ありの護衛ギル。
飼い主のプリムローズと別れたくない、ワガママな鷹と愛馬までついて来てしまう。
かなり変わった、賑やかな珍道中になりそう。
その旅路のなかで、運命的な出逢いが待っていた。
留学生活はどうなるのか?!
またまた、波乱が起きそうな予感。
その出会いが、彼女を少しだけ成長させる。
まったりゆったりと進みますが、飽きずにお付き合い下さい。
幼女編 91話
新たなる王族編 75話
こちらが前作になり、この作品だけでも楽しめるようにしております。
気になるかたは、ぜひお読み頂けたら嬉しく思います。
辺境伯令嬢の私に、君のためなら死ねると言った魔法騎士様は婚約破棄をしたいそうです
茜カナコ
恋愛
辺境伯令嬢の私に、君のためなら死ねると言った魔法騎士様は婚約破棄をしたいそうです
シェリーは新しい恋をみつけたが……
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる