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4 新しい作戦(1)
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ゴシゴシ ゴシゴシゴシゴシ ゴシゴシゴシゴシゴシ
次の日の、木曜日の午前7時31分。夢兎ちゃん、扇ちゃん、わたしは体操服姿で、学校の敷地内にある噴水のお掃除をしていました。
「ミクちゃん、こっちは綺麗になったわ。そっちは?」
「こっちもオーケーだよー。扇ちゃんはどーですかー?」
「こちらも終わりました~。あとは、中央ですね~」
「ん。じゃーそこは、みんなでやりましょーっ」
「そだそだ。その前に、お水を飲まないとだね。熱中症になったら大変」
「そうね。ミクちゃん大和町さん、ペットボトルどうぞ」
「ありがとうだよーっ」
「ありがとうございます~」
それぞれが担当する場所をブラシで擦ったり、水分補給をしたり。そんな風に協力して動いて、もう10分くらいが経った頃かな。
寮から生徒のみんなが登校するようになって、わたし達にお声がかかるようになった。
『月橋さん、いつも偉いね~。ありがとう』
『今日は大和町ちゃんもやってるんだ。ありがとうっ』
『安西さんも、ありがとう。いつも朝練があるから手伝えなくて、ごめんね』
感謝してくれたり謝ってくれたり。後ろを通る人みんなが優しい声をかけてくれて、
「おーい月橋ー、安西ー、大和町ー、掃除ご苦労さん。そろそろ登校の支度をした方がいいぞーっ!」
やがて、体育担当の先生がタオルを持って近づいて来てくれた。
「いつもありがとうな。せめてもの感謝の気持ちとして、道具の片付けは先生がやっておく。君達はこのまま上がってくれ」
「こちらこそ、後片付けをありがとうございますですー。夢卯ちゃん、扇ちゃん、いこっかー」
「だね。そうしましょう」
「はい~」
噴水の掃除タイムは、これでお仕舞っ。わたし達は噴水に掃除道具を立てかけて、服を着替えるために寮へと向かう。
「はふぅ、いいことをすると気持ちがいいよね~。シャワーで汗を流さないと、ビショビショで――あや? どしたの?」
オデコの汗を腕で拭いていたら、夢卯ちゃんが左肩をチョンチョンと突っついてきた。
(ねえミクちゃん。なんで急に、噴水の掃除をするって言いだしたのかな? これって例の作戦と関係あるのよね?)
(それは、私も知りたいです~。まだ教えて頂けないんですかね~?)
右側にいる扇ちゃんも、ウズウズしてる。
内緒が必要な部分は、もう済んだからね。盗み聴きされちゃわないし、帰りながらお伝えしましょー。
次の日の、木曜日の午前7時31分。夢兎ちゃん、扇ちゃん、わたしは体操服姿で、学校の敷地内にある噴水のお掃除をしていました。
「ミクちゃん、こっちは綺麗になったわ。そっちは?」
「こっちもオーケーだよー。扇ちゃんはどーですかー?」
「こちらも終わりました~。あとは、中央ですね~」
「ん。じゃーそこは、みんなでやりましょーっ」
「そだそだ。その前に、お水を飲まないとだね。熱中症になったら大変」
「そうね。ミクちゃん大和町さん、ペットボトルどうぞ」
「ありがとうだよーっ」
「ありがとうございます~」
それぞれが担当する場所をブラシで擦ったり、水分補給をしたり。そんな風に協力して動いて、もう10分くらいが経った頃かな。
寮から生徒のみんなが登校するようになって、わたし達にお声がかかるようになった。
『月橋さん、いつも偉いね~。ありがとう』
『今日は大和町ちゃんもやってるんだ。ありがとうっ』
『安西さんも、ありがとう。いつも朝練があるから手伝えなくて、ごめんね』
感謝してくれたり謝ってくれたり。後ろを通る人みんなが優しい声をかけてくれて、
「おーい月橋ー、安西ー、大和町ー、掃除ご苦労さん。そろそろ登校の支度をした方がいいぞーっ!」
やがて、体育担当の先生がタオルを持って近づいて来てくれた。
「いつもありがとうな。せめてもの感謝の気持ちとして、道具の片付けは先生がやっておく。君達はこのまま上がってくれ」
「こちらこそ、後片付けをありがとうございますですー。夢卯ちゃん、扇ちゃん、いこっかー」
「だね。そうしましょう」
「はい~」
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「はふぅ、いいことをすると気持ちがいいよね~。シャワーで汗を流さないと、ビショビショで――あや? どしたの?」
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(ねえミクちゃん。なんで急に、噴水の掃除をするって言いだしたのかな? これって例の作戦と関係あるのよね?)
(それは、私も知りたいです~。まだ教えて頂けないんですかね~?)
右側にいる扇ちゃんも、ウズウズしてる。
内緒が必要な部分は、もう済んだからね。盗み聴きされちゃわないし、帰りながらお伝えしましょー。
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