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第14話 仕込みが逆効果になってしまった ヴァイオレット視点(2)

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『『『『『??? ???』』』』』
『『『『『「??? ???』』』』』
「あ、アリシア様……? そちらの造花は、薄ピンク色ですわよ……?」

 さっさと渡してお開きにしようと思っていたわたくしは、アルマ様達と――参加者全員と一緒に、ぽかんと口を開けてしまっていた。
 この女……。何を言っていますの……?

『あ、あら? 白いユリって…………既婚者や、婚約者や交際中の相手がいる方用のものでしたっけ……?』
『ち、違いますわ……。逆、ですわ。そういった方が受け取るのは、薄ピンクですわ』
『ええ。ですからわたくしやアルマ様は、薄ピンク色をいただいておりますわ……?』
『『『『『???』』』』』
『『『『『どうなっていますの……?』』』』』

 それは、わたくしにも分からない。だから大急ぎで考えてみる。

((もしかして……。現実を受け入れられずにいて、現実逃避をしていた……?))

 何度もデートの姿を目撃されていて、二人は相思相愛だった。アリシアは相当、ロイス様を愛していた。なので『私とロイス様はまだ仲がいい!』と信じ込んでいて、自分をいまだに婚約者と思い込んでいる……?

((それは…………。あり得ません、わね))

 ローストビーフをヤケ食いしたり、『蒼海』を聴いた後は額に手を当てて俯いたりしていた。それらの行動は現状を正しく理解している証で、間違いなくアリシアは婚約解消を認識している。

((だったら、なぜ……? なぜこんなことを言い出しますの……!?))

 分からない、なんも分からない。なのでますます頭がこんがらがってきて――わたくしは、アリシアに意図を問うことにした。

((……わたくしったら、動揺してすっかり抜け落ちていましたわ))

 分からないのなら、本人に確認をすればいいだけのこと。そこでわたくしは改めて、目の前にあるブルーの瞳を見つめた。

「アリシア様。どうして、白ではなく薄ピンクを希望されているんですの?」

 そうすれば、??? アリシアは一瞬お父様の立ち位置を確認した後、ゆっくりと口を開き始めて――………………………………。
 ますます頭の中がハテナだらけになることを、言ったのでした…………。


「実を言いますと私は、婚約が決まっております。ですのでそちらのお色、白色を受け取ることができないのでございます」

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