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第7話 今度は奪い取る側に アルチュール視点(3)

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「………………………………」
「信じられないだろう? だが全て事実なんだよ。さっきも言ったが、実際に聞いてみるといい」

 二人きりの時に『VD計画』と伝えたら、仲間だと明かすようにあらかじめ命じてある。
 そう伝えると、

「確かめてから……。返事を、させていただいても……」
「構わないさ。君はこちら側についてくれると、確信しているからね」

 こんなやり取りが発生し、続きは翌日改めて落ち合った時にすると決まり――。実際に全員『俺の駒』となっているのだから、当然マックは仲間は買収済みだと理解した。

「言った通りだろう? その場にいるヴィルジニー以外の人間が仲間なのだから、君にリスクは発生しない」
「……………………」
「しかもだ。君の手を血で染めるのは忍びないからね・・・・・・・、馬を暴走させる役は君じゃない。直接手にかけないのだから、罪悪感も全然違う。最高の条件だとは思わないかい?」
「………………思います。アルチュール様、お手伝いをさせていただきます……!」

 リスクがないのだから――。借金に困っていたのだから――。おまけに1000万リーバルをもらえるのだから――。
 マックは快諾して俺の仲間となり、こうして無事メンバーが揃った。

((よし。じゃあ、その前に……))

 みたびヴィルジニーから奪った金を使って殺し屋を雇い、事件の翌日にマックを『実は自分のミスで暴走していて、責任を取って自殺した』と見せかけて殺すように指示を出す。
 こいつはヴィルジニー家族の俺へのヘイトをそらすためであり、他の者の万が一の裏切りを阻止するためのもので――。これで、全ての準備が整った。
 なのであとは『その時』を待つだけとなり、ついに『その時』がやって来て――



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