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第2章

4話(13)

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「何かあったみたいね。どうしたの?」
「あそこにある、比較的大きな建物――恐らくは、会議などが行われる施設なのだろう。そこのドアと窓から、僅かに魔術の気配がする」

 大きな出入り口の扉と、二つある窓。それらを順に、指さした。

「この感覚は、先程俺が戦った人型魔物のソレに酷似している。どうも奴が何かをしているらしい」
「嫌な予感が的中、ってワケね。このまま近づいても問題はなさそう?」
「あれは…………攻撃性のあるものではなく、侵入を防止する目的があるように感じる。とはいえ、油断は禁物だ。ミファは俺の陰に隠れるようにして、ついてきてくれ」
「わかったわ。何かあった時のサポートは任せてちょうだい」

 先頭は専門家にお願いして、慎重に建物に近寄る。ゆっくりゆっくりと扉の前に立ったティルは、まず扉を直視。間近でじっくり観察をして、約1分ぐらいで小さく息が吐かれた。

「予想通り侵入を防止するためのもので、危険性は皆無だ。ただしこれもあの魔物が独自に編み出した魔術で、解除に少しばかり時間がかかりそうだ」
「アイツはかなりデキル感じだったから、手強そうね。……ところでソレって、この剣で壊せないの?」

 アーティス城でやったみたいに、『祝福』を付与した剣は魔術も斬れる。これでバサッとやれないのかしら?

「この手の魔術は物理的なものは干渉しない性質があって、剣では無理なんだ。カーレルの森の時のようなやり方で、やるしない」
「あそっか、そういうものなのね。また一つ勉強になりましたで、よろしくです」
「ああ。今はミファのおかげで、魔力が上昇しているからな。随分と楽にできそうだ」

 ティルはわざわざ私に微笑んでくれたあと、建物のドアとにらめっこ。その先にある『何か』を調べるための作業が始まった。
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