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第14話 その後・ルーカスside~ビアンカたちは~ 俯瞰視点(3)

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 ――なんだと? この国に、豊穣をもたせるようにする? ビアンカよ、そなたはそれを望むのか?――。

 その返事は、さしものメレアーズも予想できないものでした。ビアンカという人間を熟知しているメレアーズでも、予想外なものでした。
 そのため確認を行うと、再度即答が返ってきました。

 ――はい。お母さんやみんなが笑顔で傍にいてくれて、その輪の中で同じように笑っていることができる。私はもう、充分すぎるほど幸せをいただいています。ですのでこれ以上望むことはなく、今この胸にあるのは、感謝の気持ち。サイモン殿下たちに恩返しをしたい、という思いがあるのです――。

 この国ルーカスは土壌と気候の影響で、数も質も隣国ザネアスエアルの足元にも及んでいませんでした。ビアンカは今日までの生活でそれを知っていたため、これを恩返しに選んでいたのです。

 ――そちらが何よりの願いでして、後悔することは決してありません。メレアーズ様。お願いいたします――。
 ――分かった。……ビアンカよ。そなたと共にあり続けられることを、嬉しく思っておるぞ――。

 そうしてビアンカは隣国の聖女となり、これまでのような、しかしながら今までとは異なる時間が始まります。

「…………メレアーズ様。……私を……。私達を救ってくださった、殿下に……。いつも親切にしてくださる、国民の皆様に……。豊穣をもたらしてください……!!」

 優しい温かな人たちが、よりよい未来にたどり着けるお手伝いをするために。ビアンカは今日も、心を込めて祈りを捧げるのでした――。



 そして――














 ※昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。
  発生中のわたくしごとは想像以上に厄介でして、まだ落ち着いてはいないのですが……。幸いにも今日よりは、時間が確保できそうですので。次のお話は、いつもの量で投稿をさせていただきたいと考えております
 
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