20 / 38
第9話 その後 俯瞰視点(1)
しおりを挟む
「ねえ、お父様、お母様。なにか言うことがあるんじゃあないのかなぁ?」
馬車がお屋敷に着いて、車から降りる――馬が驚き暴走する心配がなくなった、その瞬間のことでした。道中ずっとニコニコしたまま無言だったマリオンが、久しぶりに言葉を発しました。
「ねえ、お父様、お母様。なにか言うことがあるんじゃあないの?」
「……………………」
「……………………」
「ねえ、お父様、お母様。なにか言うことがあるんじゃあないの?」
「……………………」
「……………………」
「ねえ、お父様、お母様。なにか言うことがあるんじゃあないの?」
「……………………」
「……………………」
「そう、なにも言わないのね。じゃあわたくしが言いますわね」
ニッコリ。目を細めた――充血しきった目を細めたマリオンは、父ロークと母リリアンの頬を思い切り引っ叩きました。
「わたくしを捨てて自分たちだけ生き残ろうとしたわねしたでしょよくそんな真似できたわねこのクズ人間醜い思惑が大失敗になったからいいもののもし成功していたら大変だったわ早く謝罪をしなさいよ地面に額をこすりつけて謝りなさいよそうしない限り許さないからね絶対にいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
息継ぎなしで叫び、頬を押さえているロークとリリアンの胸ぐらを掴みました。
「この裏切りもの!! 信じられない!! もう二度と信じなさい!! これからお前達に困ったことがあっても絶対に助けてやらないから覚悟しなさいよ!! それにっ、天罰がくださるから見ていなさい!! あんなことをした人間には激しい罰がくだるから見ていなさいよ!! があああぁいいいいいいあああああああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「ち、違うんだ。ちゃ、ちゃんとマリオンのことも考えていたんだよっ。あれは全部本当のことじゃないんだっ。なっ、なあリリアン!」
「そっ、そうねっ、そうなのっ! あ、あのねっ。あのねっ! あのねっ! あのね!」
「あとでコッソリ支援しようと思っていたのだよっ! 無論マリオンが落ち着いて暮らせる住居も提供するつもりだったんだっ!」
「ほっ、ほらっ。エミリーのご機嫌を取っておかないと全滅してしまうでしょうっ? できるなら私達がお屋敷を出たかったけどほらっ、エミリーは貴方の追放を望んでいたんですものっ。そうするしかなかったのよっ」
「そうなのだよっ。あの時はエミリーが居たから言えなかっただけで――」
「嘘を吐くな!! あの時の顔は本気だった!! そんなことこれっぽっちも考えてない顔をしてた!! 言い訳するな!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ロークとリリアンが素直に認めず弁解を行ったことで、マリオンの怒りの炎は更に燃え上がってしまいました。
まずは、2人の鼓膜が破れそうなほどに絶叫をして――
馬車がお屋敷に着いて、車から降りる――馬が驚き暴走する心配がなくなった、その瞬間のことでした。道中ずっとニコニコしたまま無言だったマリオンが、久しぶりに言葉を発しました。
「ねえ、お父様、お母様。なにか言うことがあるんじゃあないの?」
「……………………」
「……………………」
「ねえ、お父様、お母様。なにか言うことがあるんじゃあないの?」
「……………………」
「……………………」
「ねえ、お父様、お母様。なにか言うことがあるんじゃあないの?」
「……………………」
「……………………」
「そう、なにも言わないのね。じゃあわたくしが言いますわね」
ニッコリ。目を細めた――充血しきった目を細めたマリオンは、父ロークと母リリアンの頬を思い切り引っ叩きました。
「わたくしを捨てて自分たちだけ生き残ろうとしたわねしたでしょよくそんな真似できたわねこのクズ人間醜い思惑が大失敗になったからいいもののもし成功していたら大変だったわ早く謝罪をしなさいよ地面に額をこすりつけて謝りなさいよそうしない限り許さないからね絶対にいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
息継ぎなしで叫び、頬を押さえているロークとリリアンの胸ぐらを掴みました。
「この裏切りもの!! 信じられない!! もう二度と信じなさい!! これからお前達に困ったことがあっても絶対に助けてやらないから覚悟しなさいよ!! それにっ、天罰がくださるから見ていなさい!! あんなことをした人間には激しい罰がくだるから見ていなさいよ!! があああぁいいいいいいあああああああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「ち、違うんだ。ちゃ、ちゃんとマリオンのことも考えていたんだよっ。あれは全部本当のことじゃないんだっ。なっ、なあリリアン!」
「そっ、そうねっ、そうなのっ! あ、あのねっ。あのねっ! あのねっ! あのね!」
「あとでコッソリ支援しようと思っていたのだよっ! 無論マリオンが落ち着いて暮らせる住居も提供するつもりだったんだっ!」
「ほっ、ほらっ。エミリーのご機嫌を取っておかないと全滅してしまうでしょうっ? できるなら私達がお屋敷を出たかったけどほらっ、エミリーは貴方の追放を望んでいたんですものっ。そうするしかなかったのよっ」
「そうなのだよっ。あの時はエミリーが居たから言えなかっただけで――」
「嘘を吐くな!! あの時の顔は本気だった!! そんなことこれっぽっちも考えてない顔をしてた!! 言い訳するな!! ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ロークとリリアンが素直に認めず弁解を行ったことで、マリオンの怒りの炎は更に燃え上がってしまいました。
まずは、2人の鼓膜が破れそうなほどに絶叫をして――
33
お気に入りに追加
1,164
あなたにおすすめの小説
お父様お母様、お久しぶりです。あの時わたしを捨ててくださりありがとうございます
柚木ゆず
恋愛
ヤニックお父様、ジネットお母様。お久しぶりです。
わたしはアヴァザール伯爵家の長女エマとして生まれ、6歳のころ貴方がたによって隣国に捨てられてしまいましたよね?
当時のわたしにとってお二人は大事な家族で、だからとても辛かった。寂しくて悲しくて、捨てられたわたしは絶望のどん底に落ちていました。
でも。
今は、捨てられてよかったと思っています。
だって、その出来事によってわたしは――。大切な人達と出会い、大好きな人と出逢うことができたのですから。
家が没落した時私を見放した幼馴染が今更すり寄ってきた
今川幸乃
恋愛
名門貴族ターナー公爵家のベティには、アレクという幼馴染がいた。
二人は互いに「将来結婚したい」と言うほどの仲良しだったが、ある時ターナー家は陰謀により潰されてしまう。
ベティはアレクに助けを求めたが「罪人とは仲良く出来ない」とあしらわれてしまった。
その後大貴族スコット家の養女になったベティはようやく幸せな暮らしを手に入れた。
が、彼女の前に再びアレクが現れる。
どうやらアレクには困りごとがあるらしかったが…
夫の母親に会いたくない私と子供。夫は母親を大切にして何が悪いと反論する。
window
恋愛
エマ夫人はため息をつき目を閉じて思い詰めた表情をしていた。誰もが羨む魅力的な男性の幼馴染アイザックと付き合い恋愛結婚したがとんでもない落とし穴が待っていたのです。
原因となっているのは夫のアイザックとその母親のマリアンヌ。何かと理由をつけて母親に会いに行きたがる夫にほとほと困り果てている。
夫の母親が人間的に思いやりがあり優しい性格なら問題ないのだが正反対で無神経で非常識な性格で聞くに堪えない暴言を平気で浴びせてくるのです。
それはエマだけでなく子供達も標的でした。ただマリアンヌは自分の息子アイザックとエマの長男レオだけは何をしてもいいほどの異常な溺愛ぶりで可愛がって、逆にエマ夫人と長女ミアと次女ルナには雑な対応をとって限りなく冷酷な視線を向けてくる。
虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?
リオール
恋愛
両親に虐げられ
姉に虐げられ
妹に虐げられ
そして婚約者にも虐げられ
公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。
虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。
それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。
けれど彼らは知らない、誰も知らない。
彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を──
そして今日も、彼女はひっそりと。
ざまあするのです。
そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか?
=====
シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。
細かいことはあまり気にせずお読み下さい。
多分ハッピーエンド。
多分主人公だけはハッピーエンド。
あとは……
虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私アニカは、妹と違い婚約者がいなかった。
妹レモノは侯爵令息との婚約が決まり、私を見下すようになる。
その後……私はレモノの嘘によって、家族から虐げられていた。
家族の命令で外に出ることとなり、私は公爵令息のジェイドと偶然出会う。
ジェイドは私を心配して、守るから耐える必要はないと言ってくれる。
耐える必要がなくなった私は、家族に反撃します。
(完結)王家の血筋の令嬢は路上で孤児のように倒れる
青空一夏
恋愛
父親が亡くなってから実の母と妹に虐げられてきた主人公。冬の雪が舞い落ちる日に、仕事を探してこいと言われて当てもなく歩き回るうちに路上に倒れてしまう。そこから、はじめる意外な展開。
ハッピーエンド。ショートショートなので、あまり入り組んでいない設定です。ご都合主義。
Hotランキング21位(10/28 60,362pt 12:18時点)
私の婚約者を狙ってる令嬢から男をとっかえひっかえしてる売女と罵られました
ゆの
恋愛
「ユーリ様!!そこの女は色んな男をとっかえひっかえしてる売女ですのよ!!騙されないでくださいましっ!!」
国王の誕生日を祝う盛大なパーティの最中に、私の婚約者を狙ってる令嬢に思いっきり罵られました。
なにやら証拠があるようで…?
※投稿前に何度か読み直し、確認してはいるのですが誤字脱字がある場合がございます。その時は優しく教えて頂けると助かります(´˘`*)
※勢いで書き始めましたが。完結まで書き終えてあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる