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補完編その1 ミラレア家のその後~同類・実弟マイクのその後~ 俯瞰視点(1)
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「旦那様。ゴミどもの排除が完了いたしました」
「よくやった。では次の段階に移るぞ」
『頼む! 頼むマイク!! 待ってくれ!!』
『叔父様っお願いします!! どうかっ、どうかお考え直しを!!』
『待つつもりも、考え直すつもりもない。……お前達、この者達はもうお前達の主でもこの家の人間でもない。部外者を放り出してくれたまえ』
エリア―ヌとモリス、そしてフロリアンとジェローム。屋敷に乗り込み兄たち4人を追い出したマイクは、満足げに頷いたあと周囲を――今や自分の手足となっている臣下たちを、ゆっくりと眺め回しました。
「これより総力をあげて、3つの噂を各所に広める! 内容は言わずもがな、『愚か者モリスとエリア―ヌを追放した!』『ミラレア家の膿は出し切った!』『新当主マイクは正反対の真っ当な人間だ!』だ!!」
貴族界でも市井でも、すっかり悪評が浸透してしまっているミラレア侯爵家。そうなっている『家』の崩壊を防ぐにはこの方法以外ないと考えていて、邸内にいる人間全員に指示を出しました。
「ここに記してある内容を広めれば、こんな状況下であっても確実に崩壊は阻止できる!! 皆の者っ、わたしについてこい!!」
マイクは懐から計3枚の紙を取り出してかざし、更には力強く自身の胸元を叩きます。
「お前達の前にいる新当主様は、モリスとは違う! 油断も隙も一切ない!! 故にわたしの指示通りに動けば、最悪の事態は回避できるのだ!! 我がミラレア侯爵家は、いつまでも侯爵家であり続けられるのだ!!」
「「「「「ぉ、ぉぉぉ……!!」」」」」」
「つまりお前達も一生安泰!! 引き続きいつまでもっ、名門侯爵家に仕えているというステータスを持ち続けられるのだ!! …………その幸せに浸り続けたい者は、わたしについて来いっ!!」
「「「「「おおおおおおおおおお!! マイク様!! マイク様っ!!」」」」」」
「「「「「マイク様! 一生ついて参ります!!」」」」」
「うむ……!! ここに居るのは、兄――かつて兄だった男には勿体ない程に、優秀な人間ばかりだったようだな。……素晴らしい。さあ行くぞ皆の者!!」
自らが考案した最高の挽回策と大勢の仲間が居れば、その成功率は100%。そう確信しているマイクは満足げに頷き、こうして新当主のもと新たな計画が動き出し――
「よくやった。では次の段階に移るぞ」
『頼む! 頼むマイク!! 待ってくれ!!』
『叔父様っお願いします!! どうかっ、どうかお考え直しを!!』
『待つつもりも、考え直すつもりもない。……お前達、この者達はもうお前達の主でもこの家の人間でもない。部外者を放り出してくれたまえ』
エリア―ヌとモリス、そしてフロリアンとジェローム。屋敷に乗り込み兄たち4人を追い出したマイクは、満足げに頷いたあと周囲を――今や自分の手足となっている臣下たちを、ゆっくりと眺め回しました。
「これより総力をあげて、3つの噂を各所に広める! 内容は言わずもがな、『愚か者モリスとエリア―ヌを追放した!』『ミラレア家の膿は出し切った!』『新当主マイクは正反対の真っ当な人間だ!』だ!!」
貴族界でも市井でも、すっかり悪評が浸透してしまっているミラレア侯爵家。そうなっている『家』の崩壊を防ぐにはこの方法以外ないと考えていて、邸内にいる人間全員に指示を出しました。
「ここに記してある内容を広めれば、こんな状況下であっても確実に崩壊は阻止できる!! 皆の者っ、わたしについてこい!!」
マイクは懐から計3枚の紙を取り出してかざし、更には力強く自身の胸元を叩きます。
「お前達の前にいる新当主様は、モリスとは違う! 油断も隙も一切ない!! 故にわたしの指示通りに動けば、最悪の事態は回避できるのだ!! 我がミラレア侯爵家は、いつまでも侯爵家であり続けられるのだ!!」
「「「「「ぉ、ぉぉぉ……!!」」」」」」
「つまりお前達も一生安泰!! 引き続きいつまでもっ、名門侯爵家に仕えているというステータスを持ち続けられるのだ!! …………その幸せに浸り続けたい者は、わたしについて来いっ!!」
「「「「「おおおおおおおおおお!! マイク様!! マイク様っ!!」」」」」」
「「「「「マイク様! 一生ついて参ります!!」」」」」
「うむ……!! ここに居るのは、兄――かつて兄だった男には勿体ない程に、優秀な人間ばかりだったようだな。……素晴らしい。さあ行くぞ皆の者!!」
自らが考案した最高の挽回策と大勢の仲間が居れば、その成功率は100%。そう確信しているマイクは満足げに頷き、こうして新当主のもと新たな計画が動き出し――
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