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エピローグ ザーダンドで有名な女性のお話 俯瞰視点
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ザーダンドには、あらゆる場所で――貴族の間でも平民の間でも、その存在を知らない者はいないと言われる女性がいました。
その人の名前は、マノン・ウィラルズ。隣国ラガールスで伯爵令嬢として生まれ、現在は筆頭公爵夫人となっている女性です。
彼女がそんなにも有名人となった理由。それは、ザーダンド史上初となる隣国生まれの筆頭公爵夫人だから――。目の下に大きなクマがあり肌はボロボロだったのに、今では国内随一の美貌を持つ女性となっているから――。
だけでは、ありません。
マノンがそのような存在となった一番の理由は、彼女のこんな言葉にありました。
『アレクシ様。私は薬学を突き詰めたいと考えております』
フロリアンに関する治療。コブが完治したことで、薬草の有用性を再認識していました。快復した際のフロリアンを見て、誰かを救うことへの幸せを感じるようになっていました。
そのためマノンは今後も薬草を用いた治療法と向き合い続けると決め、
『貴女らしい考えだね。精一杯応援させてもらうよ』
かつてマノンの行動に感銘を受けていたアレクシは、協力を快諾しました。
そうして彼女は最愛の人に支えられながら研究を重ねてゆき、これまでの経験や最愛の人の存在が大きな力となり、夫婦で立ち上げた『ウィラルズ薬屋』は次々と様々な病気に関する特効薬を開発。さらには身分に関係なく薬を提供したため、マノンはあらゆる人々から慕われるようになっていたのでした。
〇〇
「ああそうさ!! 俺もエリア―ヌ様との交際婚約っ、結婚を望んでるんだよ!! むしろ大歓迎なんだよ!! エリア―ヌ様はマノンよりっ、何もかも上なんだからな!!」
マノンは、かつてあのような裏切りに遭いました。
それによって、異性と薬草と容姿に強く深いトラウマが生まれていました。
ですがそんな彼女の人生は、アレクシとの出逢いによって大きく変わりました。
かつて50点だと言われ、理不尽に捨てられてしまった女性。
その人は今、輝きに満ちた人生を歩んでいます。
いつまでも、これからもずっと。
マノンは幸せに包まれた虹色の日々を、最愛の人と共に進んでゆくのでした――。
※本編完結いたしました。後日、番外編の投稿を予定しております。
その人の名前は、マノン・ウィラルズ。隣国ラガールスで伯爵令嬢として生まれ、現在は筆頭公爵夫人となっている女性です。
彼女がそんなにも有名人となった理由。それは、ザーダンド史上初となる隣国生まれの筆頭公爵夫人だから――。目の下に大きなクマがあり肌はボロボロだったのに、今では国内随一の美貌を持つ女性となっているから――。
だけでは、ありません。
マノンがそのような存在となった一番の理由は、彼女のこんな言葉にありました。
『アレクシ様。私は薬学を突き詰めたいと考えております』
フロリアンに関する治療。コブが完治したことで、薬草の有用性を再認識していました。快復した際のフロリアンを見て、誰かを救うことへの幸せを感じるようになっていました。
そのためマノンは今後も薬草を用いた治療法と向き合い続けると決め、
『貴女らしい考えだね。精一杯応援させてもらうよ』
かつてマノンの行動に感銘を受けていたアレクシは、協力を快諾しました。
そうして彼女は最愛の人に支えられながら研究を重ねてゆき、これまでの経験や最愛の人の存在が大きな力となり、夫婦で立ち上げた『ウィラルズ薬屋』は次々と様々な病気に関する特効薬を開発。さらには身分に関係なく薬を提供したため、マノンはあらゆる人々から慕われるようになっていたのでした。
〇〇
「ああそうさ!! 俺もエリア―ヌ様との交際婚約っ、結婚を望んでるんだよ!! むしろ大歓迎なんだよ!! エリア―ヌ様はマノンよりっ、何もかも上なんだからな!!」
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ですがそんな彼女の人生は、アレクシとの出逢いによって大きく変わりました。
かつて50点だと言われ、理不尽に捨てられてしまった女性。
その人は今、輝きに満ちた人生を歩んでいます。
いつまでも、これからもずっと。
マノンは幸せに包まれた虹色の日々を、最愛の人と共に進んでゆくのでした――。
※本編完結いたしました。後日、番外編の投稿を予定しております。
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