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第13話 そして 俯瞰視点(2)
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「ははっ、ははは! さすがは我が弟だ!! 素晴らしいっ! 実に素晴らしい!!」
「改めて尊敬しますわっ! して、叔父様。そちらはどんな方法なんですの? 一体どんな方法で、わたくし達を救ってくれますのっ?」
未だに気が付いていないエリア―ヌとモリスは、マイクに弾ける笑顔を向けます。
ですが当然その笑顔はすぐに、凍り付くことになります。
「…………お前達は、さっきから何を言っているのだ……? お前達を救う方法など、あるはずがないだろうが」
「はっはっは! そうだよなマイクよ――え? ない……?」
「だ、だって叔父様。さっき……。崩壊を防ぐって、仰ったのに……?」
「わたしは『ミラレア家の崩壊を防ぐ』、と言ったのだ。……お前達は、これから崩壊することになる。ミラレア家の未来のためにな」
現当主モリスと娘エリア―ヌ、元凶達の追放を行う。それがマイク達親族の選択で、二人に怒りをぶつけた後あとその宣告をするべく、こうして乗り込んできていたのです。
「「……………………」」
「愚行を犯した者達は切った、ミラレア家の膿は出し切った。そう思わせておけば、最悪の事態だけは避けられるからな。この時を以て、現当主モリスと当主の一人娘エリア―ヌからミラレアの姓を剥奪する」
「そんな!? 待ってくれ!! 待ってくれっ!!」
「この場で貴族籍を失う!? 嫌ですわ!! 叔父様!! お考え直しを!! どうかお考え直しを!!」
貴族ではなくなってしまう。そんなことになれば、更に日常は悪化します。これまでの日々がぬるま湯に感じるほどの状態と、なってしまいます。
ですので二人は必死の形相で縋りつきますが、考えが変わることなどあるはずがありません。
「頼む! 頼むマイク!! 待ってくれ!!」
「叔父様っお願いします!! どうかっ、どうかお考え直しを!!」
「待つつもりも、考え直すつもりもない。……お前達、この者達はもうお前達の主でもこの家の人間でもない。部外者を放り出してくれたまえ」
これは一族の総意でもあるため、間違いなく現当主は次男マイクとなっています。ですので――
「やめろおっ! やめろぉぉぉぉおおおお!!」
「いやぁっ!! いやあああああああああああああ!!」
モリスとエリア―ヌは4人の男によって引きずられてゆき、手切れ金はどころか荷物すら一切持たしてもらえない状態で、屋敷外へと追い出されてしまったのでした。
そしてもちろん――
「ぁ、ぁぁぁぁぁ……。ぁぁぁぁぁ…………」
「ぁぁ、ぁぁぁ……。ぁぁぁぁぁ…………」
「そこで崩れ落ちているこの者達も、部外者だ。騒がしくしてくれた礼をしたのち、捨ててくれたまえ」
呆然となっていたフロリアンとジェロームも、無慈悲に放り出されてしまいました。鬱憤を晴らすべく暴力の雨を浴びせられたあと、ゴミのように放り捨てられてしまいました。
そうして4人の日常は、あっという間に崩壊してしまって――
「改めて尊敬しますわっ! して、叔父様。そちらはどんな方法なんですの? 一体どんな方法で、わたくし達を救ってくれますのっ?」
未だに気が付いていないエリア―ヌとモリスは、マイクに弾ける笑顔を向けます。
ですが当然その笑顔はすぐに、凍り付くことになります。
「…………お前達は、さっきから何を言っているのだ……? お前達を救う方法など、あるはずがないだろうが」
「はっはっは! そうだよなマイクよ――え? ない……?」
「だ、だって叔父様。さっき……。崩壊を防ぐって、仰ったのに……?」
「わたしは『ミラレア家の崩壊を防ぐ』、と言ったのだ。……お前達は、これから崩壊することになる。ミラレア家の未来のためにな」
現当主モリスと娘エリア―ヌ、元凶達の追放を行う。それがマイク達親族の選択で、二人に怒りをぶつけた後あとその宣告をするべく、こうして乗り込んできていたのです。
「「……………………」」
「愚行を犯した者達は切った、ミラレア家の膿は出し切った。そう思わせておけば、最悪の事態だけは避けられるからな。この時を以て、現当主モリスと当主の一人娘エリア―ヌからミラレアの姓を剥奪する」
「そんな!? 待ってくれ!! 待ってくれっ!!」
「この場で貴族籍を失う!? 嫌ですわ!! 叔父様!! お考え直しを!! どうかお考え直しを!!」
貴族ではなくなってしまう。そんなことになれば、更に日常は悪化します。これまでの日々がぬるま湯に感じるほどの状態と、なってしまいます。
ですので二人は必死の形相で縋りつきますが、考えが変わることなどあるはずがありません。
「頼む! 頼むマイク!! 待ってくれ!!」
「叔父様っお願いします!! どうかっ、どうかお考え直しを!!」
「待つつもりも、考え直すつもりもない。……お前達、この者達はもうお前達の主でもこの家の人間でもない。部外者を放り出してくれたまえ」
これは一族の総意でもあるため、間違いなく現当主は次男マイクとなっています。ですので――
「やめろおっ! やめろぉぉぉぉおおおお!!」
「いやぁっ!! いやあああああああああああああ!!」
モリスとエリア―ヌは4人の男によって引きずられてゆき、手切れ金はどころか荷物すら一切持たしてもらえない状態で、屋敷外へと追い出されてしまったのでした。
そしてもちろん――
「ぁ、ぁぁぁぁぁ……。ぁぁぁぁぁ…………」
「ぁぁ、ぁぁぁ……。ぁぁぁぁぁ…………」
「そこで崩れ落ちているこの者達も、部外者だ。騒がしくしてくれた礼をしたのち、捨ててくれたまえ」
呆然となっていたフロリアンとジェロームも、無慈悲に放り出されてしまいました。鬱憤を晴らすべく暴力の雨を浴びせられたあと、ゴミのように放り捨てられてしまいました。
そうして4人の日常は、あっという間に崩壊してしまって――
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