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第7話 応接室を去ったあとのピエールは ~はた迷惑な思い込み~俯瞰視点
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「くそっ!! くそっっ!! ベンジャミンっ!! アイツのせいで滅茶苦茶だ!!」
逃げるように馬車に乗り込み、レーズリック伯爵家の敷地を出た直後でした。ピエールは車内の壁を乱暴に殴りつけ、怒声を上げました。
「やっと真実に気付いて、反省をして、謝りに来たのに……! アイツがしゃしゃり出たせいでっ、失敗したじゃないか!!」
ルーシーは本来、心から反省をしたらチャンスをくれる素敵な女性。なのにあんなに冷たくなっているのは、隣にベンジャミンがいたからだ!! かつての自分のように、間違ったヤツを1番と思い込んでいるから叶わなかったんだ!!
3年間ルーシーを見てきて、彼女を知り尽くしていると自称するピエール。かつての行いは、つい感情的になって出てしまったもの――猛省すればやり直せる程度のものだと思っているピエール。そんな彼は本気でそう口にし、ギリギリと歯ぎしりをします。
「おまけにアイツのせいで、これから大恥を掻く羽目になった……!!」
どんなに腹が立っていても、大公の存在があるため実行せざるを得ません。そのため切歯に加えて握りこぶしを作り、怒りを改めて露わにします。
そして控えている従者が思わず苦い顔をしてしまう程に汚い言葉を吐き散らし、ある程度ストレスを発散させたら――。不意に、ピエールの口元が緩みました。
「だがなぁ、お前の勝ちでは終わらせないぞ? ルーシーと結婚するのは、貴様じゃなくてこの僕だ!!」
「ぴ、ピエール様……。それは、いくらなんでも――」
「無理じゃない!! いいか!? ルーシーが僕を拒むのは、勘違いしているから!! 1番じゃない男っ、ベンジャミンがいるからああなってるだけなんだよ!!」
自分が誰よりもルーシーを知っているんだ! 間違いない!! 彼は再び本気そう言い張り、お屋敷がある後方を一瞥します。
「だから偽の1番が居なくなれば、僕との時間を作ってくれるようになる。つまりアイツを消してしまえば、何もかも完結するんだよ」
評判を地に落とされる溜飲を下げられるし、反省を受け入れてもらえて最愛の人と過ごせるようになる。みたび彼は本気で口にし、再び口角を吊り上げました。
「あ、あの……。あちらには、更に大きな後ろ盾が――」
「あるから、動きを悟られたら僕が消されかねない。だから、悟られないようにするんだよ」
それを可能とする方法は、今はない。でも必死になって考えれば、いずれ見つかるはず。いくらバックが強いとはいえ、ヤツ自身は伯爵家の人間。隙なんていくらでもあるんだからな!
ピエールは自信満々でそう返し、それから8日後のことでした。彼の言葉は実現してしまい、邪魔者ことベンジャミンの抹殺計画が動き出してしまったのでした――。
逃げるように馬車に乗り込み、レーズリック伯爵家の敷地を出た直後でした。ピエールは車内の壁を乱暴に殴りつけ、怒声を上げました。
「やっと真実に気付いて、反省をして、謝りに来たのに……! アイツがしゃしゃり出たせいでっ、失敗したじゃないか!!」
ルーシーは本来、心から反省をしたらチャンスをくれる素敵な女性。なのにあんなに冷たくなっているのは、隣にベンジャミンがいたからだ!! かつての自分のように、間違ったヤツを1番と思い込んでいるから叶わなかったんだ!!
3年間ルーシーを見てきて、彼女を知り尽くしていると自称するピエール。かつての行いは、つい感情的になって出てしまったもの――猛省すればやり直せる程度のものだと思っているピエール。そんな彼は本気でそう口にし、ギリギリと歯ぎしりをします。
「おまけにアイツのせいで、これから大恥を掻く羽目になった……!!」
どんなに腹が立っていても、大公の存在があるため実行せざるを得ません。そのため切歯に加えて握りこぶしを作り、怒りを改めて露わにします。
そして控えている従者が思わず苦い顔をしてしまう程に汚い言葉を吐き散らし、ある程度ストレスを発散させたら――。不意に、ピエールの口元が緩みました。
「だがなぁ、お前の勝ちでは終わらせないぞ? ルーシーと結婚するのは、貴様じゃなくてこの僕だ!!」
「ぴ、ピエール様……。それは、いくらなんでも――」
「無理じゃない!! いいか!? ルーシーが僕を拒むのは、勘違いしているから!! 1番じゃない男っ、ベンジャミンがいるからああなってるだけなんだよ!!」
自分が誰よりもルーシーを知っているんだ! 間違いない!! 彼は再び本気そう言い張り、お屋敷がある後方を一瞥します。
「だから偽の1番が居なくなれば、僕との時間を作ってくれるようになる。つまりアイツを消してしまえば、何もかも完結するんだよ」
評判を地に落とされる溜飲を下げられるし、反省を受け入れてもらえて最愛の人と過ごせるようになる。みたび彼は本気で口にし、再び口角を吊り上げました。
「あ、あの……。あちらには、更に大きな後ろ盾が――」
「あるから、動きを悟られたら僕が消されかねない。だから、悟られないようにするんだよ」
それを可能とする方法は、今はない。でも必死になって考えれば、いずれ見つかるはず。いくらバックが強いとはいえ、ヤツ自身は伯爵家の人間。隙なんていくらでもあるんだからな!
ピエールは自信満々でそう返し、それから8日後のことでした。彼の言葉は実現してしまい、邪魔者ことベンジャミンの抹殺計画が動き出してしまったのでした――。
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