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第4話 はじめまして ベンジャミン視点(2)
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「ペンダント、だと? そんなものを取りだして、どうするつもりだっ!!」
「お前が理解しやすいように、出してやっているんだよ。……ピエール、トップをよく見てみろ。そこには、なにがある?」
懐から取り出したあと、見えやすいよう前方に突き出す。そうするとヤツは、眉をひそめながら凝視を行い――
「っっっ!?」
――大きく息を呑み、同様に大きく目が見開かれた。
「そこにある、紋章……。鷹の紋章は……。まさか……」
「ああ、そのまさかだよ。こいつは、ベズデイラ家の紋章。かの大公閣下より、感謝の証としていただいたものだ」
質実剛健と称えられる、この国の重鎮の一人、国王陛下の実弟より贈られたものだ。
「あの、閣下から……!? しかも、授与される程の感謝だと……!? な、なにがあったんだっ!! お前はなにをしたんだっ!?」
「閣下を快く思っていない、悪い芽。それを4つ摘み、無力化した上で報告したんだよ」
地位が高ければ高いほどに、『敵』は多くなってゆく。俺は水面下で動いた計画を4つ潰し、そうして俺という存在をしっかりと認知していただいた――
『何か困ったことがあれば、喜んで力になる』
――そう、約束していただいたのだ。
「お、お前が芽を摘む!? 4つも!? あり得ない!! 貴様は僕と同格だ!! 伯爵家なんだぞっ!?」
「……そうだな。ウチも伯爵家だ」
「しかも!! そっちにはこっちのような強力な後ろ盾がないはずだ!!」
「……そうだな。サテファーズ家のようなコネクションは、持ち合わせていない」
サテファーズ伯爵家とゼネベック公爵家は確か、曾祖父の縁で主従関係を結んでいたはず。対して我がヴァルスター家にそういった関係はなく、必然的に取れる行動も限られてくる。
「だったらなぜ!! サテファーズ家ができないことをできているんだ!? どんなカラクリがあるっ!? どんな手を使ったんだ!?」
「別に、大したことはしていない。権力者に恩を売れる方法を探し、見つけたら我武者羅になって解決させただけだ」
財も地位もコネクションも平均な人間なんて、相手にされない。困った時に力をお借りしたいと頼んでも、聞き入れられるはずがない。
そこでそれを可能とするために、ただただ、死に物狂いで動き回っただけだ。
「う、嘘だ!! 大公閣下絡みの問題がっ、そんな方法で解決できるはずが――」
「あるんだよ。不動の、確固たる意志があればな」
確かに、常識的に考えたら不可能だろう。でも俺は、違う。
あの日、あんな姿を見てしまったから。あの日、あんな風に想うようになったから。俺は、不可能を可能にできたんだ――可能に、したんだ。
「お前が理解しやすいように、出してやっているんだよ。……ピエール、トップをよく見てみろ。そこには、なにがある?」
懐から取り出したあと、見えやすいよう前方に突き出す。そうするとヤツは、眉をひそめながら凝視を行い――
「っっっ!?」
――大きく息を呑み、同様に大きく目が見開かれた。
「そこにある、紋章……。鷹の紋章は……。まさか……」
「ああ、そのまさかだよ。こいつは、ベズデイラ家の紋章。かの大公閣下より、感謝の証としていただいたものだ」
質実剛健と称えられる、この国の重鎮の一人、国王陛下の実弟より贈られたものだ。
「あの、閣下から……!? しかも、授与される程の感謝だと……!? な、なにがあったんだっ!! お前はなにをしたんだっ!?」
「閣下を快く思っていない、悪い芽。それを4つ摘み、無力化した上で報告したんだよ」
地位が高ければ高いほどに、『敵』は多くなってゆく。俺は水面下で動いた計画を4つ潰し、そうして俺という存在をしっかりと認知していただいた――
『何か困ったことがあれば、喜んで力になる』
――そう、約束していただいたのだ。
「お、お前が芽を摘む!? 4つも!? あり得ない!! 貴様は僕と同格だ!! 伯爵家なんだぞっ!?」
「……そうだな。ウチも伯爵家だ」
「しかも!! そっちにはこっちのような強力な後ろ盾がないはずだ!!」
「……そうだな。サテファーズ家のようなコネクションは、持ち合わせていない」
サテファーズ伯爵家とゼネベック公爵家は確か、曾祖父の縁で主従関係を結んでいたはず。対して我がヴァルスター家にそういった関係はなく、必然的に取れる行動も限られてくる。
「だったらなぜ!! サテファーズ家ができないことをできているんだ!? どんなカラクリがあるっ!? どんな手を使ったんだ!?」
「別に、大したことはしていない。権力者に恩を売れる方法を探し、見つけたら我武者羅になって解決させただけだ」
財も地位もコネクションも平均な人間なんて、相手にされない。困った時に力をお借りしたいと頼んでも、聞き入れられるはずがない。
そこでそれを可能とするために、ただただ、死に物狂いで動き回っただけだ。
「う、嘘だ!! 大公閣下絡みの問題がっ、そんな方法で解決できるはずが――」
「あるんだよ。不動の、確固たる意志があればな」
確かに、常識的に考えたら不可能だろう。でも俺は、違う。
あの日、あんな姿を見てしまったから。あの日、あんな風に想うようになったから。俺は、不可能を可能にできたんだ――可能に、したんだ。
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