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第4話 はじめまして ベンジャミン視点(1)
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「おっ、お前は……! お前は……っ!!」
「こうして会話をするのは、初めてですね? 俺は、ヴァルスター伯爵家のベンジャミン。彼女ルーシーの、婚約者です」
慌てて立ち上がり、身体を震わせながら指をさしてくるピエール。自己中心的であり非礼な言動の男に一礼を行い、2人の間に割って入った。
「ルーシー、ありがとう。あとは俺が対応するから、部屋の外で待っていて欲しい」
「なっ! なに勝手なことを言っているんだ!! 僕とルーシーは今2人きりで話しをしているんだっ!! 部外者は引っ込んでいろ!!」
「ふふ、貴方はおかしなことを仰る。大切な人が元婚約者にしつこく言い寄られていて、酷く迷惑しているのですよ? 介入をする権利はあると思いますが?」
「迷惑!? ふざけるな!! 彼女は僕を受け入れ始めてくれているんだ!! お前はその邪魔をしていてっ、止める権利なんてないんだよ!!」
ピエールという男。話には聞いていたが、実際に会うと想像以上だった。あんな別れ方をしておいて、よくそんな風に言えるな。
「僕は深く反省し、ルーシーはそれを感じ取ってくれているんだ!! ねっ、ルーシーっっ? そうだよねっ? 僕とのお喋りを、邪魔をされたくはないよね――ルーシー!? どっ、どこに行くんだいっ!? どうして部屋を出ていくんだい!?」
「ベンジャミン様がいらしたら、入れ替わりで部屋を出ていく。そういうお約束になっておりますので、失礼致します」
「やっ、約束!? 君はっっ、僕のことが再び気になるようになったからっ! こうして招いてくれたんじゃないのかい!?」
「違います。貴方様と関係を戻すつもりなどありませんよ」
「うっ、嘘だよねっ!? 婚約者が目の前に来てしまったからっ、そう言っているだけなんだよねっ!? 本心は別なんだよ――」
「こちらは本心となっております。ですので、失礼致します」
大口を開けて戸惑うピエールに淡々とカーテシーを行い、俺には柔らかな微笑みをくれたあと、彼女は応接室をあとにした。
……ありがとう、ルーシー。あとは任せてくれ。
「ピエール、こういうことだ。貴方が応接室に通されたのは、彼女の認識に変化があったからじゃない。俺が二人きりになりたいと頼んでいて、人気(ひとけ)のない場所におびき寄せるためだったんだよ」
「あ、あのルーシーが、そんな酷いことを考えていただなんて……。よっ、よくも騙しやがったな!! 貴様はなにを企んでいるんだ!!」
コイツが口にした、『酷いこと』『騙しやがった』。これらに関して言いたいことがあるけれど、こんな男には何を言っても無意味だ。
そこで応接室に誘導した理由のみを伝ええるようにして、そのために俺は――。懐から、ペンダントを取り出したのだった。
「こうして会話をするのは、初めてですね? 俺は、ヴァルスター伯爵家のベンジャミン。彼女ルーシーの、婚約者です」
慌てて立ち上がり、身体を震わせながら指をさしてくるピエール。自己中心的であり非礼な言動の男に一礼を行い、2人の間に割って入った。
「ルーシー、ありがとう。あとは俺が対応するから、部屋の外で待っていて欲しい」
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「迷惑!? ふざけるな!! 彼女は僕を受け入れ始めてくれているんだ!! お前はその邪魔をしていてっ、止める権利なんてないんだよ!!」
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「僕は深く反省し、ルーシーはそれを感じ取ってくれているんだ!! ねっ、ルーシーっっ? そうだよねっ? 僕とのお喋りを、邪魔をされたくはないよね――ルーシー!? どっ、どこに行くんだいっ!? どうして部屋を出ていくんだい!?」
「ベンジャミン様がいらしたら、入れ替わりで部屋を出ていく。そういうお約束になっておりますので、失礼致します」
「やっ、約束!? 君はっっ、僕のことが再び気になるようになったからっ! こうして招いてくれたんじゃないのかい!?」
「違います。貴方様と関係を戻すつもりなどありませんよ」
「うっ、嘘だよねっ!? 婚約者が目の前に来てしまったからっ、そう言っているだけなんだよねっ!? 本心は別なんだよ――」
「こちらは本心となっております。ですので、失礼致します」
大口を開けて戸惑うピエールに淡々とカーテシーを行い、俺には柔らかな微笑みをくれたあと、彼女は応接室をあとにした。
……ありがとう、ルーシー。あとは任せてくれ。
「ピエール、こういうことだ。貴方が応接室に通されたのは、彼女の認識に変化があったからじゃない。俺が二人きりになりたいと頼んでいて、人気(ひとけ)のない場所におびき寄せるためだったんだよ」
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コイツが口にした、『酷いこと』『騙しやがった』。これらに関して言いたいことがあるけれど、こんな男には何を言っても無意味だ。
そこで応接室に誘導した理由のみを伝ええるようにして、そのために俺は――。懐から、ペンダントを取り出したのだった。
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