20 / 30
第9話 だから、俺はこうしている アーサー視点(2)
しおりを挟む
「くっ、くるなぁぁ!! こないでくださぁあぁあぃ!! いやだあああああああ!!」
「ひぃぃぃぃぃ!! やめぇぇぇぇ!! やめてぇええええええええええ!!」
動き出したエリークとニコラを見て、ロビンとイリアは後方の壁に当たるまで下がって両手を突き出す。けれど俺に止めるつもりはないし、彼らも止まるつもりはない。
なので――
「「ぎぃぃやあああああああああああああ!?」」
体長1・5メートルほどの大蛇が胴体に絡みつき、2人は縄で縛られたような体勢になってしまった。
「動けないっ!? 顔が近い!? 牙が毒が近い!! 噛まないでぇええ!! 毒はいやだぁあああああああああああああ!!」
「舌が出たぁぁぁ!? わたくしの首を狙ってる!? 噛まないで!! 毒で死んでしまうからぁあっ!! 噛まないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「安心しろ。彼らには、お前らを噛ませるつもりはない」
今日は時間などの都合で、血清を持って来てはいない。毒にやられたら揃って死んでしまうから、そんなお願いはしていない。
「ロビンとイリア、お前達にはやらせないといけないことがある。それにエリークとニコラに、罪を犯させるわけにはいかない。だから命を奪うつもりはないんだよ」
「っ! よ、よかった……!」
「よかった……! よかったぁぁ……!!」
真っ青になっていた2人から緊張の色が消え、揃って大きな安堵の息を吐き出した。
窮地は去ったと、思い込んで。
「あ、ありがとうございます! ありが――え……。え……?」
「ど、どうして……。嗤って……。いるんですの――いるの、ですか……?」
「助かったと勘違いしてるさまが、面白いからだよ。……ロビン、イリア。許すつもりはないって、言ったばかりだろ?」
大切な人を傷付けられて、酷く腹が立っていて、あのように宣言したばかりなんだ。穏便に済むはずがないだろ。
「…………で、では……。なにを、する、つもり…………」
「な、なにを……。貴方様は……。なにを、やろうとしていらっしゃいますの……?」
「俺がこれからやること。それは、こいつだ」
エリークとニコラには、すでにお願いをしてある。そこでパチンと指を鳴らすと――
「「あがぁ!? ぐぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」」
彼らはものすごい勢いで、ロビンとイリアの身体を締め付け始めだったのだった。
「ひぃぃぃぃぃ!! やめぇぇぇぇ!! やめてぇええええええええええ!!」
動き出したエリークとニコラを見て、ロビンとイリアは後方の壁に当たるまで下がって両手を突き出す。けれど俺に止めるつもりはないし、彼らも止まるつもりはない。
なので――
「「ぎぃぃやあああああああああああああ!?」」
体長1・5メートルほどの大蛇が胴体に絡みつき、2人は縄で縛られたような体勢になってしまった。
「動けないっ!? 顔が近い!? 牙が毒が近い!! 噛まないでぇええ!! 毒はいやだぁあああああああああああああ!!」
「舌が出たぁぁぁ!? わたくしの首を狙ってる!? 噛まないで!! 毒で死んでしまうからぁあっ!! 噛まないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「安心しろ。彼らには、お前らを噛ませるつもりはない」
今日は時間などの都合で、血清を持って来てはいない。毒にやられたら揃って死んでしまうから、そんなお願いはしていない。
「ロビンとイリア、お前達にはやらせないといけないことがある。それにエリークとニコラに、罪を犯させるわけにはいかない。だから命を奪うつもりはないんだよ」
「っ! よ、よかった……!」
「よかった……! よかったぁぁ……!!」
真っ青になっていた2人から緊張の色が消え、揃って大きな安堵の息を吐き出した。
窮地は去ったと、思い込んで。
「あ、ありがとうございます! ありが――え……。え……?」
「ど、どうして……。嗤って……。いるんですの――いるの、ですか……?」
「助かったと勘違いしてるさまが、面白いからだよ。……ロビン、イリア。許すつもりはないって、言ったばかりだろ?」
大切な人を傷付けられて、酷く腹が立っていて、あのように宣言したばかりなんだ。穏便に済むはずがないだろ。
「…………で、では……。なにを、する、つもり…………」
「な、なにを……。貴方様は……。なにを、やろうとしていらっしゃいますの……?」
「俺がこれからやること。それは、こいつだ」
エリークとニコラには、すでにお願いをしてある。そこでパチンと指を鳴らすと――
「「あがぁ!? ぐぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」」
彼らはものすごい勢いで、ロビンとイリアの身体を締め付け始めだったのだった。
0
お気に入りに追加
1,430
あなたにおすすめの小説
(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)
【完結】陛下、花園のために私と離縁なさるのですね?
紺
ファンタジー
ルスダン王国の王、ギルバートは今日も執務を妻である王妃に押し付け後宮へと足繁く通う。ご自慢の後宮には3人の側室がいてギルバートは美しくて愛らしい彼女たちにのめり込んでいった。
世継ぎとなる子供たちも生まれ、あとは彼女たちと後宮でのんびり過ごそう。だがある日うるさい妻は後宮を取り壊すと言い出した。ならばいっそ、お前がいなくなれば……。
ざまぁ必須、微ファンタジーです。
【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします
宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。
しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。
そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。
彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか?
中世ヨーロッパ風のお話です。
HOTにランクインしました。ありがとうございます!
ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです!
ありがとうございます!
私、実は若返り王妃ですの。シミュレーション能力で第二の人生を切り開いておりますので、邪魔はしないでくださいませ
もぐすけ
ファンタジー
シーファは王妃だが、王が新しい妃に夢中になり始めてからは、王宮内でぞんざいに扱われるようになり、遂には廃屋で暮らすよう言い渡される。
あまりの扱いにシーファは侍女のテレサと王宮を抜け出すことを決意するが、王の寵愛をかさに横暴を極めるユリカ姫は、シーファを見張っており、逃亡の準備をしていたテレサを手討ちにしてしまう。
テレサを娘のように思っていたシーファは絶望するが、テレサは天に召される前に、シーファに二つのギフトを手渡した。
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。
紺
ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」
実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて……
「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」
信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。
微ざまぁあり。
王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~
由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。
両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。
そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。
王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。
――彼が愛する女性を連れてくるまでは。
(完)お姉様、婚約者を取り替えて?ーあんなガリガリの幽霊みたいな男は嫌です(全10話)
青空一夏
恋愛
妹は人のものが常に羨ましく盗りたいタイプ。今回は婚約者で理由は、
「私の婚約者は幽霊みたいに青ざめた顔のガリガリのゾンビみたい! あんな人は嫌よ! いくら領地経営の手腕があって大金持ちでも絶対にいや!」
だそうだ。
一方、私の婚約者は大金持ちではないが、なかなかの美男子だった。
「あのガリガリゾンビよりお姉様の婚約者のほうが私にぴったりよ! 美男美女は大昔から皆に祝福されるのよ?」と言う妹。
両親は妹に甘く私に、
「お姉ちゃんなのだから、交換してあげなさい」と言った。
私の婚約者は「可愛い妹のほうが嬉しい」と言った。妹は私より綺麗で可愛い。
私は言われるまま妹の婚約者に嫁いだ。彼には秘密があって……
魔法ありの世界で魔女様が最初だけ出演します。
⸜🌻⸝姉の夫を羨ましがり、悪巧みをしかけようとする妹の自業自得を描いた物語。とことん、性格の悪い妹に胸くそ注意です。ざまぁ要素ありですが、残酷ではありません。
タグはあとから追加するかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる