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第2話 失笑 マルグリット視点(2)

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「お姉様、お父様、お母様。私達がずっとお話しをしてしまっていたので、クロード様がいらっしゃりましたよ。……クロード様、こちらはペアリングだと証明していただけますか?」
「もちろんだよ。どうぞご覧ください、こちらが証拠になります」

 嘘よ! あり得ない! そんなはずないわ! そう、思っていたら……。クロード様がやって来て……。
 懐から取り出されたのは、同じデザインのリングだった……。

「一年以上前にいただいているということは、私達が一年以上前に想い合っていたということになりますよね? ですので私が口にしていたものは、すべて事実なのですよ」
「外ではずっと――十年以上も仲のいい姉妹を演じられていたので、最初は信じれなかった。それほどまでに、すっかり騙されていましたよ」
「「「………………」」」
「けれどあの日ティナの表情を見て、事実を聞かされ、貴方がたの本性を把握しました。ですのでティナの心身が傷つかないようにしつつ悲願を達成できるように、力を合わせて長い間一芝居打っていたのですよ」

 ……たとえティナが誰かに泣きついたとしても、日頃の姿で信用されはしない……。結婚したくないから嘘を言っていると思われる。そう思っていたのは、間違いで……。
 ずっと前から悟られていて、誤認させられていた……。

「政略結婚、あれは嘘。僕もティナも父も母も、全員が役者。大掛かりなミュージカルを演じていただけなのですよ」
「「「………………」」」
「昨日無事に結婚式が終わり、今日旅立ちの日となった――種明かしをしても、ティナが攻撃される心配はなくなった。そこでこれまでのお礼その1・・・・として、公表するようにしていたのですよ」

 昨日結婚式の後に見せていたため息も、今朝からずっと続いていた曇り顔も、全部お芝居。わたし達のショックを大きくさせるためのものだった。
 コントロールされていたのは、ティナではなく私達の方で……! ずっと転がされていて、まんまとお礼その1に――

「「「お礼、その1……?」」」

 わたしとお父様とお母様は、一斉に顔を見合わせた。
 その1という表現は、『次』がある時に使うもの。だから、お礼はまだ残っている!?

((なんなの!? ティナは――ティナたちは何を企んでいるの!?))

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