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第6話 2体目の眷属 クリスチアーヌ視点(3)

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「終始唖然となっていました。お疲れ様です。そして、今回もありがとうございます」
「お待たせしました、サミュエル様。………………あら、出てきましたね。2つめの鍵です」

 前回同様サミュエル様の死角で、とあることを行ったあと。巨躯の消滅と共に現れた、青色の鍵を拾い上げた。

「緑と、青。残りひとつですね」
「そうですね。もうひとつ揃えば、魔王ダーズンこと『黒い繭』のところに行けますね」

 王城にいる頃は『討伐』のために行きたい気持ちがあったのだけれど、今は更にもう一つ理由が増えた。その時にどんなことがどんな形で起きるのか、とても楽しみだわ。

「夜も更けてきましたが、上にある魔法があれば時間は関係ありません。このまま最後の目的地へと向かっても構いませんか?」
「もちろんです。クリスチアーヌ様さえよければ、喜んでお供をさせていただきます」
「ありがとうございます。では、まいりましょうか――すみません。そちらの剣を貸していただけますか」
「え? は、はい。どうぞ」

 サミュエル様が持っている剣を受け取り、消えるまで眷属その2が転がっていた場所に突き刺した。

「それは…………ああっ。そちらも、穢れを払うものなのですね」
「ええ、そうなんです。この敵は先ほどの敵よりも巨大だった――穢れる可能性がさっきよりも高いと思いまして、追加で行っております」

 というのは当然嘘で、本当の目的は別にある。
 ただソレも同様に、この場で伝えてしますと余計な不安を生むことになってしまう。それによって生まれるリスクを考慮して、これも伏せてきましょう。

「…………………………このくらいで、いいでしょう。剣をお返しします」
「はい。他にこの場で行うことは、ございますか?」
「もう充分でしょう。この地でするべきことはなくなりましたし、今度こそ――…………」
「? クリスチアーヌ様……?」

 この地では、やっておくことはなくなった。ただ……。

「……………………たびたびすみません。気になることができまして、ほんの少しだけスタート視点に――お父様達がいる、ウチのお屋敷に戻りたいと思います」
「承知しました。お屋敷に、なにかありましたっけ……?」
「お父様達に確認したいことが、一つだけあるのですよ。最後の目的地に着いて、最後の眷属を倒して鍵を手に入れたら、恐らくはそのまま魔王ダーズンのもとに行くことになりますからね。忙しくなる前に行こうと思いました」

 眷族その3を倒したあとでもよかったのだけれど、鍵が3つ集まった瞬間自動的に移動が始まるタイプだったらタイミングを失ってしまう。ないとは思うけれど、一応念のために、一旦帰りましょう。

「では、飛びますね」

 移動先は、最後の目的地ではなく出発地点。わたし達は、現世でのわたしのへと舞い戻ったのだった。





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