19 / 24
第13話 助けを求めたら ソフィー視点(2)
しおりを挟む
「ソフィー、君に伝えなければならないことが2点ある。1つ目は、ずっと君に違和感を抱いていた――嫌悪を覚えていた、ということだ」
お姉ちゃんと一緒に、入室したシュヴァリエ様。お父様の丁寧な一礼に応じたこの人は、予想外、どころじゃない。微塵も想像していなかった、信じられないことを口にした……。
世間の評価を上げるためなどに行っていた、擬態。その際の言動によって、わたしに不自然さを覚えていた。
家族でさえ騙せていたのに……。感じ取られ始めていて、以前から嫌いだと思われていた……。
だから……。それが、原因となって…………。魅了が、失敗していた…………。
「そして2つ目は、罠を仕込んだということ。先ほどローレンス卿が言及され、今日君が大喜びした毛髪の入手。あれは故意に落とした、母セリニア殿のものなのだよ」
失敗の原因をわたし達は知らないし、気付かれてないと思っているから再挑戦する……。そう考えお姉ちゃんに髪の毛の回収を頼んでいて、着色していた……。
わたしはそれをまんまと拾ってしまって……。シュヴァリエ様のものだと思い込んで絡め合ってしまったから、ああなってしまっていた…………。
「長年猫を被ってきた。運よくその日はエイプリルフールだった。それらによって冗談に済ませられると思っていたようだけれど、そうはいかない。先述した理由によって僕は言い訳を信用してはおらず、本気だと確信していたんだよ」
「ソフィー。私はきっと、あのままなら騙されてしまうところだった。レアンドル様のおかげで、真実に気付けたのよ」
「……シュヴァリエ様も、お姉ちゃんも、ずっと気付いていたなんて…………。よっ、よくも騙したわね!!」
知らないフリをしてニコニコして、陥れるだなんて……っ。
最低よ!! 最悪よっ!! 絶対に許さないっっ!!
「歪んでいる者は反応も歪んでいて、やはり改心の余地はないな。だから――」
「だからなんなのよシュヴァリエ!! 回りくどい言い方してないで早く言いなさいよ!!」
「君が早く言えないようにしているのだけど、逆上で理解できないようだね。……続けるとしよう」
睨みつけていたらムカつく微苦笑を浮かべ、「お願いします」と声を上げた。
お願い、します? コイツ、誰に言って――
「「「「はっ! そちらが、最後の罪人でございますね?」」」」」」
白い制服を着た、大柄な男5人が……。治安局員たちが……。
捕縛されたお母様を連れて、やってきた…………。
お姉ちゃんと一緒に、入室したシュヴァリエ様。お父様の丁寧な一礼に応じたこの人は、予想外、どころじゃない。微塵も想像していなかった、信じられないことを口にした……。
世間の評価を上げるためなどに行っていた、擬態。その際の言動によって、わたしに不自然さを覚えていた。
家族でさえ騙せていたのに……。感じ取られ始めていて、以前から嫌いだと思われていた……。
だから……。それが、原因となって…………。魅了が、失敗していた…………。
「そして2つ目は、罠を仕込んだということ。先ほどローレンス卿が言及され、今日君が大喜びした毛髪の入手。あれは故意に落とした、母セリニア殿のものなのだよ」
失敗の原因をわたし達は知らないし、気付かれてないと思っているから再挑戦する……。そう考えお姉ちゃんに髪の毛の回収を頼んでいて、着色していた……。
わたしはそれをまんまと拾ってしまって……。シュヴァリエ様のものだと思い込んで絡め合ってしまったから、ああなってしまっていた…………。
「長年猫を被ってきた。運よくその日はエイプリルフールだった。それらによって冗談に済ませられると思っていたようだけれど、そうはいかない。先述した理由によって僕は言い訳を信用してはおらず、本気だと確信していたんだよ」
「ソフィー。私はきっと、あのままなら騙されてしまうところだった。レアンドル様のおかげで、真実に気付けたのよ」
「……シュヴァリエ様も、お姉ちゃんも、ずっと気付いていたなんて…………。よっ、よくも騙したわね!!」
知らないフリをしてニコニコして、陥れるだなんて……っ。
最低よ!! 最悪よっ!! 絶対に許さないっっ!!
「歪んでいる者は反応も歪んでいて、やはり改心の余地はないな。だから――」
「だからなんなのよシュヴァリエ!! 回りくどい言い方してないで早く言いなさいよ!!」
「君が早く言えないようにしているのだけど、逆上で理解できないようだね。……続けるとしよう」
睨みつけていたらムカつく微苦笑を浮かべ、「お願いします」と声を上げた。
お願い、します? コイツ、誰に言って――
「「「「はっ! そちらが、最後の罪人でございますね?」」」」」」
白い制服を着た、大柄な男5人が……。治安局員たちが……。
捕縛されたお母様を連れて、やってきた…………。
7
お気に入りに追加
3,214
あなたにおすすめの小説
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
巻き戻される運命 ~私は王太子妃になり誰かに突き落とされ死んだ、そうしたら何故か三歳の子どもに戻っていた~
アキナヌカ
恋愛
私(わたくし)レティ・アマンド・アルメニアはこの国の第一王子と結婚した、でも彼は私のことを愛さずに仕事だけを押しつけた。そうして私は形だけの王太子妃になり、やがて側室の誰かにバルコニーから突き落とされて死んだ。でも、気がついたら私は三歳の子どもに戻っていた。
【完結】順序を守り過ぎる婚約者から、婚約破棄されました。〜幼馴染と先に婚約してたって……五歳のおままごとで誓った婚約も有効なんですか?〜
よどら文鳥
恋愛
「本当に申し訳ないんだが、私はやはり順序は守らなければいけないと思うんだ。婚約破棄してほしい」
いきなり婚約破棄を告げられました。
実は婚約者の幼馴染と昔、私よりも先に婚約をしていたそうです。
ただ、小さい頃に国外へ行ってしまったらしく、婚約も無くなってしまったのだとか。
しかし、最近になって幼馴染さんは婚約の約束を守るために(?)王都へ帰ってきたそうです。
私との婚約は政略的なもので、愛も特に芽生えませんでした。悔しさもなければ後悔もありません。
婚約者をこれで嫌いになったというわけではありませんから、今後の活躍と幸せを期待するとしましょうか。
しかし、後に先に婚約した内容を聞く機会があって、驚いてしまいました。
どうやら私の元婚約者は、五歳のときにおままごとで結婚を誓った約束を、しっかりと守ろうとしているようです。
妹が最優先という事で婚約破棄なさいましたよね? 復縁なんてお断りよッ!!
百谷シカ
恋愛
私の婚約者クライトン伯爵エグバート卿は善良で優しい人。
末っ子で甘えん坊の私には、うってつけの年上の彼。
だけど、あの人いつもいつもいつもいつも……なんかもうエンドレスに妹たちの世話をやいている。
そしてついに、言われたのだ。
「妹の結婚が先だ。それが嫌なら君との婚約は破棄させてもらう」
そして破談になった私に、メイスフィールド伯爵から救いの手が差し伸べられた。
次々と舞い込んでくる求婚話。
そんな中、妹の結婚が片付いたと言ってエグバート卿が復縁をもちかけてきた。
「嘘でしょ? 本気?」
私は、愛のない結婚なんてしないわよ?
======================================
☆読者様の御親切に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
ご心配頂きました件について『お礼とご報告』を近況ボードにてお伝えさせて頂きます。
引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです♡ (百谷シカ・拝)
婚約破棄にはなりました。が、それはあなたの「ため」じゃなく、あなたの「せい」です。
百谷シカ
恋愛
「君がふしだらなせいだろう。当然、この婚約は破棄させてもらう」
私はシェルヴェン伯爵令嬢ルート・ユングクヴィスト。
この通りリンドホルム伯爵エドガー・メシュヴィツに婚約破棄された。
でも、決して私はふしだらなんかじゃない。
濡れ衣だ。
私はある人物につきまとわれている。
イスフェルト侯爵令息フィリップ・ビルト。
彼は私に一方的な好意を寄せ、この半年、あらゆる接触をしてきた。
「君と出会い、恋に落ちた。これは運命だ! 君もそう思うよね?」
「おやめください。私には婚約者がいます……!」
「関係ない! その男じゃなく、僕こそが君の愛すべき人だよ!」
愛していると、彼は言う。
これは運命なんだと、彼は言う。
そして運命は、私の未来を破壊した。
「さあ! 今こそ結婚しよう!!」
「いや……っ!!」
誰も助けてくれない。
父と兄はフィリップ卿から逃れるため、私を修道院に入れると決めた。
そんなある日。
思いがけない求婚が舞い込んでくる。
「便宜上の結婚だ。私の妻となれば、奴も手出しできないだろう」
ランデル公爵ゴトフリート閣下。
彼は愛情も跡継ぎも求めず、ただ人助けのために私を妻にした。
これは形だけの結婚に、ゆっくりと愛が育まれていく物語。
愚者(バカ)は不要ですから、お好きになさって?
海野真珠
恋愛
「ついにアレは捨てられたか」嘲笑を隠さない言葉は、一体誰が発したのか。
「救いようがないな」救う気もないが、と漏れた本音。
「早く消えればよろしいのですわ」コレでやっと解放されるのですもの。
「女神の承認が下りたか」白銀に輝く光が降り注ぐ。
愛しておりますわ、“婚約者”様[完]
ラララキヲ
恋愛
「リゼオン様、愛しておりますわ」
それはマリーナの口癖だった。
伯爵令嬢マリーナは婚約者である侯爵令息のリゼオンにいつも愛の言葉を伝える。
しかしリゼオンは伯爵家へと婿入りする事に最初から不満だった。だからマリーナなんかを愛していない。
リゼオンは学園で出会ったカレナ男爵令嬢と恋仲になり、自分に心酔しているマリーナを婚約破棄で脅してカレナを第2夫人として認めさせようと考えつく。
しかしその企みは婚約破棄をあっさりと受け入れたマリーナによって失敗に終わった。
焦ったリゼオンはマリーナに「俺を愛していると言っていただろう!?」と詰め寄るが……
◇テンプレ婚約破棄モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる