14 / 24
第10話 悲鳴を上げる妹 ソフィー視点
しおりを挟む
「お母様!? お母様っっ!? なにをやってい――ヴぃぎゃぁ!?」
また! パニックになっていたらまたキスされたっ!!
なんなのっ!? なにをやってるのっっ!?
「お母様っ!! お母様っ!? なんなの!? なにをやってるの!?」
「……見て分からないの? 貴方に、愛を伝えているのよ。…………ああ、愛しのソフィー。お母さんは、貴方を愛しているわ。一人の女性として」
必死になって腕から逃れたわたしは、更にパニックになってしまった。
だって急に、こんなことを言い出したのだから。頬をピンク色に染めて息を荒くして、うっとりとしながら……。
「どうして今まで気付かなかったのかしら。髪の毛、眉毛、まつげ、瞳、鼻、口。手も足も、胴体も、心の中も。貴方ほど完璧で理想的な人はいない。だから貴方を、一人の女性として好きになってしまったのよっ!」
「ひぎゃああああああっ!!」
唇を突き出しながら飛び掛かってきて、わたしは必死に避ける!
怖い! 気持ち悪い! 怖い! 怖すぎる!
「はあ、はあ、はあ……っ。ソフィー、どうして避けるのぉ……?」
「お母様が奇行に走ってるからよ! 今のお母様が普通じゃないからよっ!」
「あのね、ソフィー。逆よ」
「ぎゃ、ぎゃく……?」
「今までのお母さんが、普通じゃなかったの。貴方に家族としての愛しか向けていなかったお母さんが、異常だったのよ。だってあなたは、こんなにも美しいのだからぁ……!」
ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 全身をねっとりと見回されて、妖艶に舌なめずりをしてる!!
「ソフィー、シュヴァリエ様への魅了なんて止めましょ? お母さんを、選びましょ? 私の愛だけを受け入れて頂戴」
「いっ、嫌よっ! きゅっ、急にどうしちゃったのお母様!? まるで、それこれお母様が魅了されたみたいに――っっ。まさか……っっ!」
嫌な予感が過ぎり、後ろにある魔法陣へと手を伸ばす。
もしかして……っ。もしかして……っっ。
ここに絡めて置いたのは……っ。お母様の、髪の毛……!?
また! パニックになっていたらまたキスされたっ!!
なんなのっ!? なにをやってるのっっ!?
「お母様っ!! お母様っ!? なんなの!? なにをやってるの!?」
「……見て分からないの? 貴方に、愛を伝えているのよ。…………ああ、愛しのソフィー。お母さんは、貴方を愛しているわ。一人の女性として」
必死になって腕から逃れたわたしは、更にパニックになってしまった。
だって急に、こんなことを言い出したのだから。頬をピンク色に染めて息を荒くして、うっとりとしながら……。
「どうして今まで気付かなかったのかしら。髪の毛、眉毛、まつげ、瞳、鼻、口。手も足も、胴体も、心の中も。貴方ほど完璧で理想的な人はいない。だから貴方を、一人の女性として好きになってしまったのよっ!」
「ひぎゃああああああっ!!」
唇を突き出しながら飛び掛かってきて、わたしは必死に避ける!
怖い! 気持ち悪い! 怖い! 怖すぎる!
「はあ、はあ、はあ……っ。ソフィー、どうして避けるのぉ……?」
「お母様が奇行に走ってるからよ! 今のお母様が普通じゃないからよっ!」
「あのね、ソフィー。逆よ」
「ぎゃ、ぎゃく……?」
「今までのお母さんが、普通じゃなかったの。貴方に家族としての愛しか向けていなかったお母さんが、異常だったのよ。だってあなたは、こんなにも美しいのだからぁ……!」
ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 全身をねっとりと見回されて、妖艶に舌なめずりをしてる!!
「ソフィー、シュヴァリエ様への魅了なんて止めましょ? お母さんを、選びましょ? 私の愛だけを受け入れて頂戴」
「いっ、嫌よっ! きゅっ、急にどうしちゃったのお母様!? まるで、それこれお母様が魅了されたみたいに――っっ。まさか……っっ!」
嫌な予感が過ぎり、後ろにある魔法陣へと手を伸ばす。
もしかして……っ。もしかして……っっ。
ここに絡めて置いたのは……っ。お母様の、髪の毛……!?
3
お気に入りに追加
3,219
あなたにおすすめの小説
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
義妹に苛められているらしいのですが・・・
天海月
恋愛
穏やかだった男爵令嬢エレーヌの日常は、崩れ去ってしまった。
その原因は、最近屋敷にやってきた義妹のカノンだった。
彼女は遠縁の娘で、両親を亡くした後、親類中をたらい回しにされていたという。
それを不憫に思ったエレーヌの父が、彼女を引き取ると申し出たらしい。
儚げな美しさを持ち、常に柔和な笑みを湛えているカノンに、いつしか皆エレーヌのことなど忘れ、夢中になってしまい、気が付くと、婚約者までも彼女の虜だった。
そして、エレーヌが持っていた高価なドレスや宝飾品の殆どもカノンのものになってしまい、彼女の侍女だけはあんな義妹は許せないと憤慨するが・・・。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。

婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
言いたいことは、それだけかしら?
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【彼のもう一つの顔を知るのは、婚約者であるこの私だけ……】
ある日突然、幼馴染でもあり婚約者の彼が訪ねて来た。そして「すまない、婚約解消してもらえないか?」と告げてきた。理由を聞いて納得したものの、どうにも気持ちが収まらない。そこで、私はある行動に出ることにした。私だけが知っている、彼の本性を暴くため――
* 短編です。あっさり終わります
* 他サイトでも投稿中

男爵令嬢の私の証言で公爵令嬢は全てを失うことになりました。嫌がらせなんてしなければ良かったのに。
田太 優
恋愛
公爵令嬢から嫌がらせのターゲットにされた私。
ただ耐えるだけの日々は、王子から秘密の依頼を受けたことで終わりを迎えた。
私に求められたのは公爵令嬢の嫌がらせを証言すること。
王子から公爵令嬢に告げる婚約破棄に協力することになったのだ。

「これは私ですが、そちらは私ではありません」
イチイ アキラ
恋愛
試験結果が貼り出された朝。
その掲示を見に来ていたマリアは、王子のハロルドに指をつきつけられ、告げられた。
「婚約破棄だ!」
と。
その理由は、マリアが試験に不正をしているからだという。
マリアの返事は…。
前世がある意味とんでもないひとりの女性のお話。

妹よ。そんなにも、おろかとは思いませんでした
絹乃
恋愛
意地の悪い妹モニカは、おとなしく優しい姉のクリスタからすべてを奪った。婚約者も、その家すらも。屋敷を追いだされて路頭に迷うクリスタを救ってくれたのは、幼いころにクリスタが憧れていた騎士のジークだった。傲慢なモニカは、姉から奪った婚約者のデニスに裏切られるとも知らずに落ちぶれていく。※11話あたりから、主人公が救われます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる