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第21話 奪い取ろうとしたその結果 ザラ視点(1)
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「ゆっ、許してっ! 許してくださいっ!! マリー様おねが――」
「なぜ薄汚いメスを許して、お願いを聞かないといけないの? ……くひひ。あんな大罪を犯した上に、生意気にも逃走を図ったんだもの。どちらも×(ばつ)よ」
ぁ、ぁぁぁ……。マリー様はあの時以上に壊れた笑みを浮かべて、ひぃぃぃっ! 近づいて、来た……。
「さあてぇ、どんな楽しいことをしましょうかぁ。ねえオーガスティン、貴方はなにをすればいいと思う?」
「この女は、俺とマリーの関係を邪魔しようとした。万死に値する愚行を犯しているんだから、死を与えるべきだよ」
「ええ、そうよね。わたしもそう思っていたの。やっぱりわたし達は、『同じ』ね」
一緒に近づいてきていたオーガスティン様と、うっとりして笑い合って……。
…………。「じゃぁ」と、わたしの全身を見回し始めた……。
「次に決めないといけないのは、その方法ね。どうしようかしら?」
「マリーが懸命に運命の相手だと教えてくれなかったら、この女に騙されて大変なことになっていた。残酷で凄惨なものにしよう」
「くひっ、そこもおんなじね。そうしたら方向性はソレで決まりで――うふふ、ありがとうオーガスティン。でもね、さっきも言ったでしょう? 貴方にそんな真似はさせられないわ。それは私の役目よ」
決まったら俺が刑を執行し、この女の息の根を止めるよ――。そんな提案に対して、幸せそうに首を振って……。指を絡め合って、二人で見つめ合ったあと……。
「内容を決めるのは二人でだけど、行うのは独り。これから貴方とはいつも一緒でどんなことでも一緒に仲良く行うけれど、ここだけはこうしておかないといけないの。許してね、オーガスティン」
「ああそうだったね、ごめんよ。分かったよマリー。そこはお任せするから、その中身を一緒に考えようか」
「うふふ、ありがとう。そうしましょ」
異常にニコニコしている瞳と……。光がまったくなくなっている瞳が……。揃って、こちらへと向いた…………。
「マリー。どうすれば、この女をたっぷりと苦しめて消せるんだろうね?」
「定番の拷問などなど、思い付く手段が一杯あって困ってしまうわ。とりあえず順にあげていくから、良さそうなものがあれば教えて頂戴ねぇ――あら?」
もう立ってはいられなくなって、へたり込んでいたら……。急に、マリー様が首をかたむけた。
な、なに……? なんなの…………?
「なぜ薄汚いメスを許して、お願いを聞かないといけないの? ……くひひ。あんな大罪を犯した上に、生意気にも逃走を図ったんだもの。どちらも×(ばつ)よ」
ぁ、ぁぁぁ……。マリー様はあの時以上に壊れた笑みを浮かべて、ひぃぃぃっ! 近づいて、来た……。
「さあてぇ、どんな楽しいことをしましょうかぁ。ねえオーガスティン、貴方はなにをすればいいと思う?」
「この女は、俺とマリーの関係を邪魔しようとした。万死に値する愚行を犯しているんだから、死を与えるべきだよ」
「ええ、そうよね。わたしもそう思っていたの。やっぱりわたし達は、『同じ』ね」
一緒に近づいてきていたオーガスティン様と、うっとりして笑い合って……。
…………。「じゃぁ」と、わたしの全身を見回し始めた……。
「次に決めないといけないのは、その方法ね。どうしようかしら?」
「マリーが懸命に運命の相手だと教えてくれなかったら、この女に騙されて大変なことになっていた。残酷で凄惨なものにしよう」
「くひっ、そこもおんなじね。そうしたら方向性はソレで決まりで――うふふ、ありがとうオーガスティン。でもね、さっきも言ったでしょう? 貴方にそんな真似はさせられないわ。それは私の役目よ」
決まったら俺が刑を執行し、この女の息の根を止めるよ――。そんな提案に対して、幸せそうに首を振って……。指を絡め合って、二人で見つめ合ったあと……。
「内容を決めるのは二人でだけど、行うのは独り。これから貴方とはいつも一緒でどんなことでも一緒に仲良く行うけれど、ここだけはこうしておかないといけないの。許してね、オーガスティン」
「ああそうだったね、ごめんよ。分かったよマリー。そこはお任せするから、その中身を一緒に考えようか」
「うふふ、ありがとう。そうしましょ」
異常にニコニコしている瞳と……。光がまったくなくなっている瞳が……。揃って、こちらへと向いた…………。
「マリー。どうすれば、この女をたっぷりと苦しめて消せるんだろうね?」
「定番の拷問などなど、思い付く手段が一杯あって困ってしまうわ。とりあえず順にあげていくから、良さそうなものがあれば教えて頂戴ねぇ――あら?」
もう立ってはいられなくなって、へたり込んでいたら……。急に、マリー様が首をかたむけた。
な、なに……? なんなの…………?
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