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第13話 嫌な再会 ミシェル視点(4)
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「「「まさか……」」」
「そう、そのまさかだ。これは先述した成分を抜いていて、本来は発生しない激痛が走るようになるんだよ」
「「「………………」」」
「僕の大切な人を15回も攻撃した人間は、なにをしても可哀想じゃない。3人仲良く、楽しい時間を過ごしてね」
「「「い、いや!! おっ、お願いします!! 許して!! 許してください!!」
「ジネットも言っていたはずだ。これからお前達は影武者となり、その性質上以降はお前たちに『お礼』ができなくなってしまう。これが、最後のお礼のチャンスなんだ。せっかくの機会をふいにするはずがないだろう?」
そう、言っていたけど……。たしかに、そうだけど……!
激痛が12だなんて!! 耐えられない!!
「死ぬっ! 12時間も激しい痛みを与えられ続けたら死んでしまう!! ショック死してしまいます!!」
「そうです!! 全員死んでしまいますっ!」
「そっ、そうなってしまったら影武者になれませんよっ! こっ、困ってしまうのではないのですかっ!? 陛下たちのご命令に背くようになってしまうのではありませんか!?」
「エリアーヌさんの言う通りですわっ! 絶対死んでしまいますからっ! そっ、そのような真似はやめましょうっ! 違う方法でっ、お礼をしてください!!」
「心配してくれてどうもありがとう。そこについては安心してくれていいよ。どのくらいのダメージでショック死するかはちゃんと知っていて、デンジャーゾーンを超えてはいないから」
そんな……。
そんなところまで、把握しているの……。
「だから他の方法に変える必要はない。さあ始めよう」
「そっ、それでも12時間は激しすぎます!! どうかお考え直しを!!」
「別のやり方にしてください!! そんなにもっ、いやぁああああ!!」
「やめえてぇえええええええ!! どうかっ、どうかっっ、どうかぁああ!! 12はいやああああああ!!」
「皆さん、お時間を取ってしまいすみませんでした。あとはお願いします」
また! またわたくしの言葉は無視されて――ぁあああああああああ!! ブノワが渡したクリームを塗ったマスクを被せられた!!
「「「ぎっ!? ぎやあああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
顔が焼ける! 燃えているみたい! 針が刺さっているみたい! 顔だけ炎の中にいるみたい!!
「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
こんな痛みが12時間も続くの!?
無理!! 耐えられない!! 死ぬ!!
「ああ、そうそう。ちゃんと、痛みで気を失わないようになっている――痛みから逃げられないようにもなってもいるから、安心してね」
安心!? 安心できるはずない!
もっと恐ろしくなった!!
「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
激しい痛みと、そんな激痛が12時間も続く恐怖。そんな2つの地獄に襲われて――
「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
――それを、受け入れるしかなくて……。
ずっと、ずっと。長い間。
ただただ何もできず……。わたくし達は、泣き叫び続けたのだった……………………。
「そう、そのまさかだ。これは先述した成分を抜いていて、本来は発生しない激痛が走るようになるんだよ」
「「「………………」」」
「僕の大切な人を15回も攻撃した人間は、なにをしても可哀想じゃない。3人仲良く、楽しい時間を過ごしてね」
「「「い、いや!! おっ、お願いします!! 許して!! 許してください!!」
「ジネットも言っていたはずだ。これからお前達は影武者となり、その性質上以降はお前たちに『お礼』ができなくなってしまう。これが、最後のお礼のチャンスなんだ。せっかくの機会をふいにするはずがないだろう?」
そう、言っていたけど……。たしかに、そうだけど……!
激痛が12だなんて!! 耐えられない!!
「死ぬっ! 12時間も激しい痛みを与えられ続けたら死んでしまう!! ショック死してしまいます!!」
「そうです!! 全員死んでしまいますっ!」
「そっ、そうなってしまったら影武者になれませんよっ! こっ、困ってしまうのではないのですかっ!? 陛下たちのご命令に背くようになってしまうのではありませんか!?」
「エリアーヌさんの言う通りですわっ! 絶対死んでしまいますからっ! そっ、そのような真似はやめましょうっ! 違う方法でっ、お礼をしてください!!」
「心配してくれてどうもありがとう。そこについては安心してくれていいよ。どのくらいのダメージでショック死するかはちゃんと知っていて、デンジャーゾーンを超えてはいないから」
そんな……。
そんなところまで、把握しているの……。
「だから他の方法に変える必要はない。さあ始めよう」
「そっ、それでも12時間は激しすぎます!! どうかお考え直しを!!」
「別のやり方にしてください!! そんなにもっ、いやぁああああ!!」
「やめえてぇえええええええ!! どうかっ、どうかっっ、どうかぁああ!! 12はいやああああああ!!」
「皆さん、お時間を取ってしまいすみませんでした。あとはお願いします」
また! またわたくしの言葉は無視されて――ぁあああああああああ!! ブノワが渡したクリームを塗ったマスクを被せられた!!
「「「ぎっ!? ぎやあああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
顔が焼ける! 燃えているみたい! 針が刺さっているみたい! 顔だけ炎の中にいるみたい!!
「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
こんな痛みが12時間も続くの!?
無理!! 耐えられない!! 死ぬ!!
「ああ、そうそう。ちゃんと、痛みで気を失わないようになっている――痛みから逃げられないようにもなってもいるから、安心してね」
安心!? 安心できるはずない!
もっと恐ろしくなった!!
「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
激しい痛みと、そんな激痛が12時間も続く恐怖。そんな2つの地獄に襲われて――
「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
――それを、受け入れるしかなくて……。
ずっと、ずっと。長い間。
ただただ何もできず……。わたくし達は、泣き叫び続けたのだった……………………。
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