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第12話 国の影 ミシェル視点
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「おう、け……」
王家。王族。
国のトップの、関係者……。
「わたし達が賜った2つの役割。そのひとつは、『貴族の監視』です」
「かん、し……?」
「力を持つ者がすべてが、その力をただしく使うとは限りません。むしろ大きな力を持つ者ほど、誤った使い方をするものです。そしてそんな人間が好き放題していたら、それこそ貴方がストレス発散をしていたように、他貴族が被害を被ってしまいます」
隣国を含め他国とこの国は友好的な関係を築けているものの、どの国も見えないところに刃を忍ばせている。攻撃するチャンスがあれば嬉々としてその刃を振りかざし、自国の勢力を広げようとしている。
そんな状況なのに国内でゴタゴタが起きていたら、ひとりでに弱体化してしまう。
そういった状況を阻止するために、問題児はいないのか? を、常日頃見ている人がいた……。
「そしてふたつめが、『対象者の処理』ですね。まずは『問題あり』と判断された者に改心のチャンスを与え、それによって自ら愚行に気付けたのなら何もしない。だがしかし気付けなかった場合は、適切な処置をする。となっています」
「…………わたくし、は……」
「ミシェル様、エリア―ヌ様もクレール様も、何度忠告しても変わりませんでした。あまつさえブノワに危害を加えようとしました。あの日『最後のチャンス』をフイにしたため、後者の仲間入りを果たしました」
『立場上抵抗できない格下の人間への理不尽な攻撃、また、それに付随するタチの悪い脅迫付きの口止め。これらの行動は間違っております。……このような真似を続けているといつかその御身を滅ぼします。どうか直ちにおやめください』。などなど。
いつも口にしていた言葉は……。その、忠告だった……。
「わ、分かるはずはない……。もっとちゃんと――身分を明かして注意をしてくれていたらちゃんと理解できていて、ちゃんと反省できていた……! 厳しすぎますわ……!」
「……はぁ、あのですね。そういった形での反省なんて意味がない。そこまでしないと止めない人は必ずや、わたし達に見えないところで別の何かを起こしますからね」
「そっ、そんなの試してみないと分かりませんわ! わっ、わたくしは反省したっ! もうしないと誓いますわ!! なんならずっと監視してもらってもいいですから!! 不問に付して――」
「ミシェル様、あなたの後ろは断崖絶壁。引き返せる『道』はもう、どこにもないのですよ」
「そっ、そう言わずに!! お願いよ!! お願いします――ぶふ!? なっ、なによこれっ!? なんなの――ぁ……。ちからが……。ぬけ、る…………」
アトマイザーのようなもので顔に何かを噴きかけられて、意識が遠のき始めた。
…………わたくしは、運ばれて、いるの……?
どこに……。連れて行かれて、しまうの……?
王家。王族。
国のトップの、関係者……。
「わたし達が賜った2つの役割。そのひとつは、『貴族の監視』です」
「かん、し……?」
「力を持つ者がすべてが、その力をただしく使うとは限りません。むしろ大きな力を持つ者ほど、誤った使い方をするものです。そしてそんな人間が好き放題していたら、それこそ貴方がストレス発散をしていたように、他貴族が被害を被ってしまいます」
隣国を含め他国とこの国は友好的な関係を築けているものの、どの国も見えないところに刃を忍ばせている。攻撃するチャンスがあれば嬉々としてその刃を振りかざし、自国の勢力を広げようとしている。
そんな状況なのに国内でゴタゴタが起きていたら、ひとりでに弱体化してしまう。
そういった状況を阻止するために、問題児はいないのか? を、常日頃見ている人がいた……。
「そしてふたつめが、『対象者の処理』ですね。まずは『問題あり』と判断された者に改心のチャンスを与え、それによって自ら愚行に気付けたのなら何もしない。だがしかし気付けなかった場合は、適切な処置をする。となっています」
「…………わたくし、は……」
「ミシェル様、エリア―ヌ様もクレール様も、何度忠告しても変わりませんでした。あまつさえブノワに危害を加えようとしました。あの日『最後のチャンス』をフイにしたため、後者の仲間入りを果たしました」
『立場上抵抗できない格下の人間への理不尽な攻撃、また、それに付随するタチの悪い脅迫付きの口止め。これらの行動は間違っております。……このような真似を続けているといつかその御身を滅ぼします。どうか直ちにおやめください』。などなど。
いつも口にしていた言葉は……。その、忠告だった……。
「わ、分かるはずはない……。もっとちゃんと――身分を明かして注意をしてくれていたらちゃんと理解できていて、ちゃんと反省できていた……! 厳しすぎますわ……!」
「……はぁ、あのですね。そういった形での反省なんて意味がない。そこまでしないと止めない人は必ずや、わたし達に見えないところで別の何かを起こしますからね」
「そっ、そんなの試してみないと分かりませんわ! わっ、わたくしは反省したっ! もうしないと誓いますわ!! なんならずっと監視してもらってもいいですから!! 不問に付して――」
「ミシェル様、あなたの後ろは断崖絶壁。引き返せる『道』はもう、どこにもないのですよ」
「そっ、そう言わずに!! お願いよ!! お願いします――ぶふ!? なっ、なによこれっ!? なんなの――ぁ……。ちからが……。ぬけ、る…………」
アトマイザーのようなもので顔に何かを噴きかけられて、意識が遠のき始めた。
…………わたくしは、運ばれて、いるの……?
どこに……。連れて行かれて、しまうの……?
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