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第7話 3年後~準備完了~ クリストフ視点(3)
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「ああああああああああ!? ああああああああああぁあああああ!? ああああああああああああああああああぁあああ!?」
見間違い、じゃない!! 透けていっている!! 俺の身体っ、肉体がっ、どんどん透けていっている!!
「なあっ、どっ、なってるんだ!? こんなことっ、聞いたことがないぞ!!」
身体が透明になっていくっ、そんな話を耳にした記憶はないっ! 貴族だった頃は様々な本を読んだし色々な国に行ったが、こんな現象一度も見たことも聞いたこともないぞっっ!!
「原因はなんだ!? なにがどうなったらっ!! 悪夢みたいな状況に――そっ、そうか! これは悪夢っ、夢なんだ!!」
昨日も俺はボーナス目当てに、午前4時まで時間外労働をした。いつも以上に疲れた状態で眠っていたっ! きっと疲労によって、悪い夢を見てしまっているんだっ!
「なっ、なんだ、そうだったのか……っ。お、驚かせやがって――っっ!! 違うっ、そうじゃないここは現実だ!!」
頬を抓ってみると痛かった! 痛みをちゃんと感じるしっ、
「つ、冷たい!!」
出されていたグラスを――水を頭からかけてみると、冷たさも感じた! だからここは夢じゃなくてっ、俺はちゃんと起きているんだ!!
「そんなっ、夢じゃないなんてっ! どうすればいいんだっ!? おっ、おいマスターっっ!! 助けてくれっ!! どうにかしてくれ!!」
コイツを頼っても、解決しないことは分かってる! それでもっ、縋らずにはいられない!!
俺は猛スピードでカウンターの奥へと回り込み、そうして――
「…………………………」
言葉を失い、固まってしまった。
な、なんで……。なんで…………。
「…………………………」
俺が目の前で叫んでいるのに、マスターはまったく反応しないんだ……!?
見間違い、じゃない!! 透けていっている!! 俺の身体っ、肉体がっ、どんどん透けていっている!!
「なあっ、どっ、なってるんだ!? こんなことっ、聞いたことがないぞ!!」
身体が透明になっていくっ、そんな話を耳にした記憶はないっ! 貴族だった頃は様々な本を読んだし色々な国に行ったが、こんな現象一度も見たことも聞いたこともないぞっっ!!
「原因はなんだ!? なにがどうなったらっ!! 悪夢みたいな状況に――そっ、そうか! これは悪夢っ、夢なんだ!!」
昨日も俺はボーナス目当てに、午前4時まで時間外労働をした。いつも以上に疲れた状態で眠っていたっ! きっと疲労によって、悪い夢を見てしまっているんだっ!
「なっ、なんだ、そうだったのか……っ。お、驚かせやがって――っっ!! 違うっ、そうじゃないここは現実だ!!」
頬を抓ってみると痛かった! 痛みをちゃんと感じるしっ、
「つ、冷たい!!」
出されていたグラスを――水を頭からかけてみると、冷たさも感じた! だからここは夢じゃなくてっ、俺はちゃんと起きているんだ!!
「そんなっ、夢じゃないなんてっ! どうすればいいんだっ!? おっ、おいマスターっっ!! 助けてくれっ!! どうにかしてくれ!!」
コイツを頼っても、解決しないことは分かってる! それでもっ、縋らずにはいられない!!
俺は猛スピードでカウンターの奥へと回り込み、そうして――
「…………………………」
言葉を失い、固まってしまった。
な、なんで……。なんで…………。
「…………………………」
俺が目の前で叫んでいるのに、マスターはまったく反応しないんだ……!?
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