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第13話 2回目の配信の、ビックリ
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《美月さんっ、そちらを見てください!》
2日後の、午後7時ちょうど。防音室の中で2回目の配信をスタートした瞬間、とつぜん翔くんがタブレットをこっちに向けました。
???
今はOP(オープニング)の動画を流していて、ちゃんと映ってるよね? どうしたのかな……?
((翔くんが指差してるのは、視聴者さんの数が出てる場所、だね……? ここが、どうかしたのかな――))「――はえっっ!?」
翔くんが指差してるところを見て、すぐに驚いてる理由が分かりました。
視聴者数 57人
前は17人だったのに……。見てくれてる人が3倍くらい増えてます!!
((ええっ!? ええっっ!? なんで……!?))
ミアのお顔はまだ出してないし、ミアのSNSもまだ始めてない。宣伝してないし視聴者さんが集まる理由がないのに、どうなってるの……!?
わたしの頭の中はハテナマークだらけになっちゃって、そんなことをしている間にOPが終わって――ミアが喋るタイミングが来てしまいました。
((いけないっ。すー、はー、すー、はー、すー、はー))
慌ててたら、色々失敗しちゃうかもしれない。見てくれてる皆さんの迷惑にならないように深呼吸をして、
「こんばんみゃあ~っ! 応援でみんなを元気にしちゃう、葉月ミアだよ~っ!」
いつもの挨拶をしっかり行いました。
《こんばんは》
《こんばんみゃあ~》
《なんか声が聞こえた》
《虫でも出た?》
「あぅ、ごめんなさい。チラッと今の視聴者さん数が見えて、そしたら3倍――あれっ4倍になってる!? すごい数の人が見てくれてると分かって、驚いちゃったんです」
《あ~、なるほど~》
《理解》
「初めましての皆さん、初めましてっ。どうしてミアの配信に来てくれたのか、よかったら教えてください」
《初配信を見た友人に誘われました》
《2日前? の配信を見た弟に教えてもらいました》
《野球好きな新人さんが居るって聞きました。友達にです》
《相撲を話せる人が居るって、勧められました》
そっか、そっかそっか。そういうことだったんだ……!
1回目の配信を見てくれた人が、紹介してくれてたんだ……!
「ありがとうございますっ。来てよかったって思ってもらえるように、頑張りますっ。今日はレトロゲー配信と終わったあとに野球とお相撲のお話もさせてもらうので、楽しんでいってくださいねっ!」
野球と相撲の話は視聴者さんが興味を持っていたし、なにより、美月さんが楽しそうでしたから。今度も続けていきましょう――。
初配信のあと相談して、ゲーム配信のあと少し雑談タイムを作ることになったのです。
「今日遊ぶのは、じゃじゃーん! ファニーコンピューターの超々有名ソフト、『スーパーブラザー』です! 皆さん知ってますか~?」
《もちろん》
《当然》
《好きな作品。楽しみ》
「じゃーじゃー、ご期待に応えられるように、一生懸命全クリ目指していきますっ。いざっ、ゲームスタート!」
こうしてわたしの2回目の配信が始まって――。
その時のわたしはまだ、知りませんでした。
まさかこの配信が切っ掛けで、あんなことになるだなんて……!!
2日後の、午後7時ちょうど。防音室の中で2回目の配信をスタートした瞬間、とつぜん翔くんがタブレットをこっちに向けました。
???
今はOP(オープニング)の動画を流していて、ちゃんと映ってるよね? どうしたのかな……?
((翔くんが指差してるのは、視聴者さんの数が出てる場所、だね……? ここが、どうかしたのかな――))「――はえっっ!?」
翔くんが指差してるところを見て、すぐに驚いてる理由が分かりました。
視聴者数 57人
前は17人だったのに……。見てくれてる人が3倍くらい増えてます!!
((ええっ!? ええっっ!? なんで……!?))
ミアのお顔はまだ出してないし、ミアのSNSもまだ始めてない。宣伝してないし視聴者さんが集まる理由がないのに、どうなってるの……!?
わたしの頭の中はハテナマークだらけになっちゃって、そんなことをしている間にOPが終わって――ミアが喋るタイミングが来てしまいました。
((いけないっ。すー、はー、すー、はー、すー、はー))
慌ててたら、色々失敗しちゃうかもしれない。見てくれてる皆さんの迷惑にならないように深呼吸をして、
「こんばんみゃあ~っ! 応援でみんなを元気にしちゃう、葉月ミアだよ~っ!」
いつもの挨拶をしっかり行いました。
《こんばんは》
《こんばんみゃあ~》
《なんか声が聞こえた》
《虫でも出た?》
「あぅ、ごめんなさい。チラッと今の視聴者さん数が見えて、そしたら3倍――あれっ4倍になってる!? すごい数の人が見てくれてると分かって、驚いちゃったんです」
《あ~、なるほど~》
《理解》
「初めましての皆さん、初めましてっ。どうしてミアの配信に来てくれたのか、よかったら教えてください」
《初配信を見た友人に誘われました》
《2日前? の配信を見た弟に教えてもらいました》
《野球好きな新人さんが居るって聞きました。友達にです》
《相撲を話せる人が居るって、勧められました》
そっか、そっかそっか。そういうことだったんだ……!
1回目の配信を見てくれた人が、紹介してくれてたんだ……!
「ありがとうございますっ。来てよかったって思ってもらえるように、頑張りますっ。今日はレトロゲー配信と終わったあとに野球とお相撲のお話もさせてもらうので、楽しんでいってくださいねっ!」
野球と相撲の話は視聴者さんが興味を持っていたし、なにより、美月さんが楽しそうでしたから。今度も続けていきましょう――。
初配信のあと相談して、ゲーム配信のあと少し雑談タイムを作ることになったのです。
「今日遊ぶのは、じゃじゃーん! ファニーコンピューターの超々有名ソフト、『スーパーブラザー』です! 皆さん知ってますか~?」
《もちろん》
《当然》
《好きな作品。楽しみ》
「じゃーじゃー、ご期待に応えられるように、一生懸命全クリ目指していきますっ。いざっ、ゲームスタート!」
こうしてわたしの2回目の配信が始まって――。
その時のわたしはまだ、知りませんでした。
まさかこの配信が切っ掛けで、あんなことになるだなんて……!!
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