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第19話 二人の本音~ピエールside~ 俯瞰視点(4)
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「…………。そろそろ頃合いだね」
オフェリーが動き出そうとしていた、その時――、同国内にあるサネベーク子爵邸の一室では、部屋の主でありピエールがゆっくりと椅子から立ち上がりました。
「ピエール。ついに動くか」
「ええ父上。……最近は、エステェの加入によって――国外のパイプを持つ女の加入によって、あっちの商会はますます勢い付いてきています。このタイミングでスキャンダルが明るみになれば、その勢いは一気に落ちてしまいますからね。より多くの金を払ってくれるのですよ」
怨敵が自分の容姿に興味を持った。怨敵は所謂二股をかけていた。
それを把握したピエールが立てた作戦は、『膨大な慰謝料の請求』。エステェと『オーテラング家』の両方に、大きなダメージを与えられるようにしていたのです。
「1年間『1番』ではない男と生活させることができた上に、一族の針の筵にもできる。ライバル商会の懐に、大きな大きなダメージを与えられる。個人的にも右腕的にも、最高の結果となりましたね」
「うむ、そうだな。では行くとしようか」
「はい、行きましょう。……外見が変わったら、勢いよく飛びついてくる。アホな女のおかげで、楽しいことになりましたよ」
そうして彼らもまた、ラデンサールク商会を訪れ――
「フェフィリア家当主とオフェリーがな……。『浮気を広められたくなければ多額の口止め料を寄こせ』、と言ってきたのだよ……」
「サネベーク家当主と、ピエールが……『浮気を広められたくなければ多額の口止め料を支払え』、と言ってきたのだ……」
その結果、こんなことになってしまっていたのでした。
アドンとエステェ2人の行動により、ピエールが当初想定したものより遥かに酷い、まさに『最悪』といえる状況が出来上がってしまっていたのでした。
そして――
オフェリーが動き出そうとしていた、その時――、同国内にあるサネベーク子爵邸の一室では、部屋の主でありピエールがゆっくりと椅子から立ち上がりました。
「ピエール。ついに動くか」
「ええ父上。……最近は、エステェの加入によって――国外のパイプを持つ女の加入によって、あっちの商会はますます勢い付いてきています。このタイミングでスキャンダルが明るみになれば、その勢いは一気に落ちてしまいますからね。より多くの金を払ってくれるのですよ」
怨敵が自分の容姿に興味を持った。怨敵は所謂二股をかけていた。
それを把握したピエールが立てた作戦は、『膨大な慰謝料の請求』。エステェと『オーテラング家』の両方に、大きなダメージを与えられるようにしていたのです。
「1年間『1番』ではない男と生活させることができた上に、一族の針の筵にもできる。ライバル商会の懐に、大きな大きなダメージを与えられる。個人的にも右腕的にも、最高の結果となりましたね」
「うむ、そうだな。では行くとしようか」
「はい、行きましょう。……外見が変わったら、勢いよく飛びついてくる。アホな女のおかげで、楽しいことになりましたよ」
そうして彼らもまた、ラデンサールク商会を訪れ――
「フェフィリア家当主とオフェリーがな……。『浮気を広められたくなければ多額の口止め料を寄こせ』、と言ってきたのだよ……」
「サネベーク家当主と、ピエールが……『浮気を広められたくなければ多額の口止め料を支払え』、と言ってきたのだ……」
その結果、こんなことになってしまっていたのでした。
アドンとエステェ2人の行動により、ピエールが当初想定したものより遥かに酷い、まさに『最悪』といえる状況が出来上がってしまっていたのでした。
そして――
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