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第15話 1・2年後~最悪な日々、その上~ エステェ視点

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 ……………………。
 あれから半年後に私達は婚約し、さらに半年後の6月に結婚。私達は親の命によって夫婦となり、それから今日までの2か月間、私はアドン・・・を憎みながら生きてきた。

「…………はぁ。はぁ……。はぁ…………」

 婚約した日からあの男は、いつもため息ばっかり。
 アドンがちゃんとメリッサを愛していたら私が想いを告げても空振りとなっていて、こんなことにはならなかった。今は義父となったアドリアンが私に興味を持つこともお父様が裏切ることもなく、私は今頃最愛の人と一緒に幸せに暮らせていた。

 つまり、コイツが元凶なのに!!

 あたかも被害者のように振る舞っていて、ず~っとこんな調子。泣きたいのはこっちの方なのに、四六時中辛気臭い雰囲気を醸し出しているの……!!

((自分が原因なくせに……! 被害者ぶって……!! 腹が立つ……! 腹が立つ腹が立つ腹が立つ……!!))

 なので私は毎日イライラしていて、でも、怒りを爆発させたら面倒なことになってしまう。そのため喉の奥からこみ上げてくる夥しい量の怒気を、必死に呑み込んで抑えてていた。

 仕方がないから! もうそうするしかないから!!

 この家の財や地位を存分に使って、少しでも人生をマシなものしようとしていた。浪費したり立場を悪用して、少しでもアドンやアドリアン達から搾取してやろうと考え動いていた。

((そうするには、本心を出しちゃダメ。我慢よエステェ。我慢するのよ))

 そうするべく私は今日も一日耐えると決め、ていたのだけれど――。そんな覚悟は、一瞬にして崩壊してしまう。
 だって。だって! だって!!


「いいよなお前は! 最愛の人と一緒に暮らせて毎日幸せなんだから!!」


 私室から出てきたアドンが、私に対してこんなことを言い放ったのだから!!


((……………………私が、幸せ……? 冗談じゃないわ!!))


 ぷつん。
 そうしたら、私の中で何かがキレて――

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