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第22話 もう二人の愚か者 父ガリー視点(2)
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説得に必死で、全然気が付かなかった。目の前にいる4人――あの様子だと、夫婦なのだろう。
その者達はわたしとセレストを、冷めた目で見つめていた。
「み、皆様がた……? ど、どうなさいましたの……?」
「もっ、もしや疑っていらっしゃるのですかっ? ちっ、違います! 我々は間違いなく本物の両親で――」
「はぁ、そうではありませんよ。わたし達は違う理由で、こういった表情をしているのですよ」
……。また、おかしなことが起きた。
落ち着いた雰囲気のある男の妻であろう、美しい女性。その人が大きく息を吐き、静かに首を左右に振った。
「「?? ???」」
「その様子だと、貴方がたも気付かれていないようですね。……まだ気が付きませんか? 元お父様のガリー様、元お母様のセレスト様?」
「「っっ!」」
我々の本名を知っている。
ま、まさか。まさか、目の前に居るのは――
その者達はわたしとセレストを、冷めた目で見つめていた。
「み、皆様がた……? ど、どうなさいましたの……?」
「もっ、もしや疑っていらっしゃるのですかっ? ちっ、違います! 我々は間違いなく本物の両親で――」
「はぁ、そうではありませんよ。わたし達は違う理由で、こういった表情をしているのですよ」
……。また、おかしなことが起きた。
落ち着いた雰囲気のある男の妻であろう、美しい女性。その人が大きく息を吐き、静かに首を左右に振った。
「「?? ???」」
「その様子だと、貴方がたも気付かれていないようですね。……まだ気が付きませんか? 元お父様のガリー様、元お母様のセレスト様?」
「「っっ!」」
我々の本名を知っている。
ま、まさか。まさか、目の前に居るのは――
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