今日は、わたしから何でも奪ってきた妹が奪われてしまう日

柚木ゆず

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第11話 ぷつん ぷつん キアラ視点(2)

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「アンタたちのせいじゃないのよおおおおおおおおおおおおおお!!」「お前たちが元凶かぁあああああああああああああああああ!!」「あなた達の仕業だったのねえええええええええええええええええええ!!」

 気がついたら私達はっ、近くにいた使用人に掴みかかっていた!
 あの忌々しい女っ! アレクシアがいなくなっていた原因はコイツ達!! コイツ達がちゃんとしていたら何も起きていなかった!!

「あんなっ、こんなっ、生意気な手紙を書かれることはなかったのよ!? 私達がこんなにもイライラすることだってなかったのよ!? なにをやってるのよ!! なにをやってるのよぉおおおお!!」
「お前達さえっ! おまえたちさええええ!! なにをやっているのだぁああ!!」
「なんで全員眠ってるのよ!? なんでマヌケに飲まされているのよぉぉぉ!?」
「もっ、申し訳ございませんっ。カタリナがそんな真似をするとはっ、夢にも思わなかったのでございますっ」
「アレクシアの味方であると重々理解しておりましたっ。た、ただ……」
「あの者達の計画を知らず……。あのタイミングで動き出すなんて、想定外でございました……」

 予想外だった。予想できなかった。予想できるはずなかった。
 コイツらは壊れた蓄音機みたいに同じことを繰り返して――。それがますます、私達の怒りを増幅させた!!

「予想外!? アンタたちバカなの!? 予想外に備えるのものアンタたちの仕事でしょうがっ!!」
「お前達はこの家に仕える身だろうがっ! 与えられた仕事だけをして満足しているだなんて言語道断だ!!」
「あなた達はご主人様を守る剣であり盾でもあるのよ!? それがなによこの有様はっ。いつもお世話になっている人達に徹底して尽くそうという気持ちはないの!?」
「「「このっ、役立たずが!!」」」

 私達は掴んでいた相手を一斉に激しく揺さぶり、っっっ!! その程度では気が収まるはずがないから――

「「「きゃあっ!?」」」

 ――頬を、思い切り引っ叩いてやった。
 でも! まだそれでも、気が収まらない!!
 だから――

「「「…………。もう、我慢の限界だわ」」」
「「「「「……限界だ」」」」」

 ――馬乗りになって追撃しようとしていたら、倒れていたニコやアンナ――たちだけではなく、全使用人がぼそっと呟いた。

 ? なによ。コイツら今、なんて言ったの?
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