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第7話 2日後~絶望の追撃~ キアラ視点(2)
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「お父様お母様!! アレをっ! お姉様を殴りにいきましょうよ!!」
ボスコやクララの頬は、どうやっても叩(はた)けないんだもの!! 仕方がないから、他でストレスを発散する!
「このイライラは叫んで物を壊したくらいじゃ収まらない!! こんな状態がいつまでも続いていたら気が狂いそうなんだもの!! アイツで落ち着きましょうよ!!」
「ああその通りだ!! このままだと気がどうかしてしまう!! アレクシアだ!! アレクシアで鎮めよう!!」
「良いアイディアよキアラっ! あんな生意気な子はどうなってもいいものね!! わたくし達の怒りをすべてぶつけましょ!!」
それに思い返してみればっ、あの女はひとりだけ終始冷静だった! ずっとそこまで気が回らなかったけどっ、ずっと生意気だった!!
ついでにたっぷり、あの態度に関する『教育』もしてあげるわ!!
「どうせ私が困っているから『ざまぁみろ!』って内心思ってたんでしょ!? 許せないわっ! アイツもボスコやクララと同じくらい許せない!!」
「まったくだ!! アレクシアめ……! 調子に乗りおって……!!」
「家族が困っている時に親身になれない子なんて、ますますこの家には要らないわ!! あなたっ、キアラっつ!! 遠慮はなしよ! 徹底的にやりましょ!!」
泣いて謝っても許さない。顔がボコボコになっても許してあげない。私達が満足するまで、絶対に止めない。
そう決めながら歩き出し、一秒でも早く発散させたいから駆け足で廊下を通って階段を駆け上がる。そうして私達はアレクシアの部屋の前に着き、鍵はかけるなと常に命令しているから、そのままノブを握って扉を開け放って――
「「「………………え?」」」
部屋に乗り込んだ私達は、揃って言葉を失ってしまった。
な、なんで……? なんで……!?
「どこにも…………。アレクシアがいないの…………?」
ボスコやクララの頬は、どうやっても叩(はた)けないんだもの!! 仕方がないから、他でストレスを発散する!
「このイライラは叫んで物を壊したくらいじゃ収まらない!! こんな状態がいつまでも続いていたら気が狂いそうなんだもの!! アイツで落ち着きましょうよ!!」
「ああその通りだ!! このままだと気がどうかしてしまう!! アレクシアだ!! アレクシアで鎮めよう!!」
「良いアイディアよキアラっ! あんな生意気な子はどうなってもいいものね!! わたくし達の怒りをすべてぶつけましょ!!」
それに思い返してみればっ、あの女はひとりだけ終始冷静だった! ずっとそこまで気が回らなかったけどっ、ずっと生意気だった!!
ついでにたっぷり、あの態度に関する『教育』もしてあげるわ!!
「どうせ私が困っているから『ざまぁみろ!』って内心思ってたんでしょ!? 許せないわっ! アイツもボスコやクララと同じくらい許せない!!」
「まったくだ!! アレクシアめ……! 調子に乗りおって……!!」
「家族が困っている時に親身になれない子なんて、ますますこの家には要らないわ!! あなたっ、キアラっつ!! 遠慮はなしよ! 徹底的にやりましょ!!」
泣いて謝っても許さない。顔がボコボコになっても許してあげない。私達が満足するまで、絶対に止めない。
そう決めながら歩き出し、一秒でも早く発散させたいから駆け足で廊下を通って階段を駆け上がる。そうして私達はアレクシアの部屋の前に着き、鍵はかけるなと常に命令しているから、そのままノブを握って扉を開け放って――
「「「………………え?」」」
部屋に乗り込んだ私達は、揃って言葉を失ってしまった。
な、なんで……? なんで……!?
「どこにも…………。アレクシアがいないの…………?」
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