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第20話 その頃ジーウス邸では エミー視点
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「……おかしい……。どうなっているのだ……?」
「……おかしいですわ……。どうなっていますの……?」
深夜2時過ぎ。わたくしとお父様は執務室に集まり、室内を右へ左へ行ったり来たりを繰り返していました。
「……おかしい、おかしい……っ。なぜ、一向に動きがないんだ……!?」
わたくし達が放った3人。ウチの駒たちが、いつになっても帰ってこない――それどころか、何の連絡すら遣してこない。
だからいつもならお肌のために眠っている今も起きていて、わたくしもお父様もこんな風になってしまっていますの……。
「…………『貴族が通り魔に殺されてしまった』。そんなニュースは、貴族界でも市井でも流れていませんわ。もしやあの女は急遽外出を取りやめて、仕留めるタイミングを見計らっている……?」
「ならば、何かしらの連絡が入るはずだ。連絡なしは、ありえんよ……」
それも、そうですわね。じゃあ…………。
「失敗して、治安機関などに捕らえられている? ……それこそあり得ませんわね」
「ああ。それは100%ないと言い切れる」
ウチの駒は選りすぐりの精鋭で、それぞれが数々の実績の持ち主。お兄様はお金持ちであり裕福な御方ですけど、それでもそういう面では、ウチには敵いませんわ。
「では…………理由はなんなんですの……? 仕留めるタイミングを見計らっているのでもなく……。失敗して捕らえられてしまっているのでもない……。だったら、何がどうなっていますの……?」
「ううむ…………わたしにも皆目見当がつかん。………………仕方ない。数人用意して、あの者達を探させよう」
面倒だけれど、行方が不明なのだからそうするしかありませんわね。お父様は舌打ちをしたあと、準備をするため部屋を出て――??? それから5~6分くらいしたら、大急ぎで戻ってきましたわ。
この急ぎよう。どうやらようやく、3人が返ってきたみたい。
「はぁ、困った駒達ですわね。お父様、どういった理由でこんなことにな――」
「エミー来てくれ!! 大変だっ!! 大変なのだ!!」
ため息をついていたら、突然お父様が悲鳴のような大声をあげた。
……え? どうして、青ざめているんですの……?
「指示を出していたらっ! 門の前に馬車がやって来たっ、我が屋敷に馬車がやって来たんだ!! だからっ、ジェームズを向かわせたんだ!! そしたらとんでもないことになっていたんだよ!!」
「お、お父様? とんでもないこと、とは……?」
「とんでもないんだ!! とにかくとんでもないんだよ!! きっ、来てくれ!! 外に一緒に来てくれ行ってくれ!!」
「えっ!? えっ!? え――きゃあっ!?」
支離滅裂で戸惑っていると手を掴まれ、全力疾走で引っ張られてゆく。
猛スピードで廊下を駆け抜け、エントランスを抜けて、外へと出ると――。そこには――
「夜分に申し訳ございません、ジーウス卿、エミー様。3人の『影』に関するお話を、行いに参りました」
…………。ノランお兄様が、いた…………!?
「……おかしいですわ……。どうなっていますの……?」
深夜2時過ぎ。わたくしとお父様は執務室に集まり、室内を右へ左へ行ったり来たりを繰り返していました。
「……おかしい、おかしい……っ。なぜ、一向に動きがないんだ……!?」
わたくし達が放った3人。ウチの駒たちが、いつになっても帰ってこない――それどころか、何の連絡すら遣してこない。
だからいつもならお肌のために眠っている今も起きていて、わたくしもお父様もこんな風になってしまっていますの……。
「…………『貴族が通り魔に殺されてしまった』。そんなニュースは、貴族界でも市井でも流れていませんわ。もしやあの女は急遽外出を取りやめて、仕留めるタイミングを見計らっている……?」
「ならば、何かしらの連絡が入るはずだ。連絡なしは、ありえんよ……」
それも、そうですわね。じゃあ…………。
「失敗して、治安機関などに捕らえられている? ……それこそあり得ませんわね」
「ああ。それは100%ないと言い切れる」
ウチの駒は選りすぐりの精鋭で、それぞれが数々の実績の持ち主。お兄様はお金持ちであり裕福な御方ですけど、それでもそういう面では、ウチには敵いませんわ。
「では…………理由はなんなんですの……? 仕留めるタイミングを見計らっているのでもなく……。失敗して捕らえられてしまっているのでもない……。だったら、何がどうなっていますの……?」
「ううむ…………わたしにも皆目見当がつかん。………………仕方ない。数人用意して、あの者達を探させよう」
面倒だけれど、行方が不明なのだからそうするしかありませんわね。お父様は舌打ちをしたあと、準備をするため部屋を出て――??? それから5~6分くらいしたら、大急ぎで戻ってきましたわ。
この急ぎよう。どうやらようやく、3人が返ってきたみたい。
「はぁ、困った駒達ですわね。お父様、どういった理由でこんなことにな――」
「エミー来てくれ!! 大変だっ!! 大変なのだ!!」
ため息をついていたら、突然お父様が悲鳴のような大声をあげた。
……え? どうして、青ざめているんですの……?
「指示を出していたらっ! 門の前に馬車がやって来たっ、我が屋敷に馬車がやって来たんだ!! だからっ、ジェームズを向かわせたんだ!! そしたらとんでもないことになっていたんだよ!!」
「お、お父様? とんでもないこと、とは……?」
「とんでもないんだ!! とにかくとんでもないんだよ!! きっ、来てくれ!! 外に一緒に来てくれ行ってくれ!!」
「えっ!? えっ!? え――きゃあっ!?」
支離滅裂で戸惑っていると手を掴まれ、全力疾走で引っ張られてゆく。
猛スピードで廊下を駆け抜け、エントランスを抜けて、外へと出ると――。そこには――
「夜分に申し訳ございません、ジーウス卿、エミー様。3人の『影』に関するお話を、行いに参りました」
…………。ノランお兄様が、いた…………!?
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