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第4話 待っていた驚き シャーリィ視点(2)
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「シャーリィくん。あの頃は、済まなかった」
マルタンおじ様がいらっしゃる、エントランス。そちらに向かった私を待っていたのは、思いがけないこと――。おじ様から、の謝罪でした。
「お、おじ様……? おじさま…………?」
「…………8年前。わたしはあの日から、君への態度を変えてしまった」
おじ様が仰られているのは、私がお父様とお母様の命令に背いた日のことでした。
『いいかシャーリィ。ノラン君に媚を売り、彼の妻となるんだ!』
『必ず成功させなさいよ!!』
両家は元々家族ぐるみのお付き合いをしていて、お兄様と私とマイヤは仲が良く、私達は特に非常に仲が良かった。お父様はそちらに目をつけ、婚約者にして早くあちらのお屋敷で同棲をさせようとしていた――成人になる前に、少しでも早く貧乏神を追い出そうとしました。
ですがそうしてしまえばお兄様達が悲惨なことになってしまいますし、なにより……。私は大好きな人に、嘘を吐きたくありませんでした。
(あのね、お兄様、おじ様。私は、貧乏神なの……)
ですのでその日に打ち明け、そうしたら――そうなるのは当たり前です。以降おじ様の態度は余所余所しいものへと変わり、訪れる回数が徐々に減っていってしまって。
『ごめんなシャリィ。俺はそのための準備を始めるから、多分もうその日まではコッソリ会うこともできない。遊んだり励ましたりはできないけど、その分再会したらまとめてするからさ。信じて待っていてくれ』
その日で来訪は最後となり、以降両家は疎遠となってしまっていたのでした。
『シャーリィっ! もしやお前っ、馬鹿正直に告げたんじゃないだろうな!?』
『いいえ貴方、バラしたらお仕置きすると脅しているんですもの。それはないわ』
『……ならば…………理由はなんだ……!? くそっ、くそぉぉぉぉ!! この役立たずがぁぁぁああ!!』
そうして私は、お二人の怒りを買って……。その日は何度も暴力を振るわれ、その後は食事など生活の水準を更に下げられてしまったのでした。
マルタンおじ様がいらっしゃる、エントランス。そちらに向かった私を待っていたのは、思いがけないこと――。おじ様から、の謝罪でした。
「お、おじ様……? おじさま…………?」
「…………8年前。わたしはあの日から、君への態度を変えてしまった」
おじ様が仰られているのは、私がお父様とお母様の命令に背いた日のことでした。
『いいかシャーリィ。ノラン君に媚を売り、彼の妻となるんだ!』
『必ず成功させなさいよ!!』
両家は元々家族ぐるみのお付き合いをしていて、お兄様と私とマイヤは仲が良く、私達は特に非常に仲が良かった。お父様はそちらに目をつけ、婚約者にして早くあちらのお屋敷で同棲をさせようとしていた――成人になる前に、少しでも早く貧乏神を追い出そうとしました。
ですがそうしてしまえばお兄様達が悲惨なことになってしまいますし、なにより……。私は大好きな人に、嘘を吐きたくありませんでした。
(あのね、お兄様、おじ様。私は、貧乏神なの……)
ですのでその日に打ち明け、そうしたら――そうなるのは当たり前です。以降おじ様の態度は余所余所しいものへと変わり、訪れる回数が徐々に減っていってしまって。
『ごめんなシャリィ。俺はそのための準備を始めるから、多分もうその日まではコッソリ会うこともできない。遊んだり励ましたりはできないけど、その分再会したらまとめてするからさ。信じて待っていてくれ』
その日で来訪は最後となり、以降両家は疎遠となってしまっていたのでした。
『シャーリィっ! もしやお前っ、馬鹿正直に告げたんじゃないだろうな!?』
『いいえ貴方、バラしたらお仕置きすると脅しているんですもの。それはないわ』
『……ならば…………理由はなんだ……!? くそっ、くそぉぉぉぉ!! この役立たずがぁぁぁああ!!』
そうして私は、お二人の怒りを買って……。その日は何度も暴力を振るわれ、その後は食事など生活の水準を更に下げられてしまったのでした。
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