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第25話 恋人になった直後の、ギクシャクが消えるお話 俯瞰視点(1)
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「太陽の日差しが湖面に反射して、絶妙な風情を醸し出しておりますね。アルフレッドさん」
「大変濁っておりますが、絶妙な風情ですね。リルさん」
「「ほほほほほほほほほほほほほほほほっ。ほほほほほほほほほほほほほほほほっっ!」」
2人がデート兼ギクシャク解消のため歩き始めて、8分程が経過しました。
ですが、一切好転せず。相変わらず、不可思議な台詞と愛想笑いが続いていました。
((ど、どうしよう……っ。折角アルフレッドと恋人になれたのに、恋人っぽいことができない……っ))
((ど、どうしよう……っ。折角リルと恋人になれたのに、恋人っぽいことができてないぞ……っっ))
早く、なんとかしないと――。リルとアルフレッドは心の中で頭を掻きむしり、その切っ掛けを探っていました。
((このままじゃダメ。あたし達って、どんな風に喋ってたんだっけ……?))
((このままじゃ駄目だ。俺達って、どんな風に喋ってたんだっけ……?))
相性ピッタリな2人は同じように悩み、考え、アレコレ試み始めます。
「あ、アルフレッドさん。こうして歩いていると、あの日を思い出しますわね」
「あ、あの日、ですか? ど、どの日でしょうか? リルさん」
「あの日といえば、あの日ですよっ。ほら、あの日ですよ。あの日は…………………ごめんなさい。なんでもありません」
緊張して自分が何を言おうとしていたか分からなくなり、失敗。次は、アルフレッドが動きます。
「いや~、さっきは嬉しかったですね――ゴホン。う、うれ、嬉しかった、なぁ。嬉しかったなぁ! 涙をこぼして飛び込んできてくれた光景は、一生忘れられない――」
「きゃああああああああああああああああああああああ恥ずかしいからやめてぇえええええええええええええええええええええええ!! 今は無理今は無理今は無理今は無理今は無理ぃ!!」
「ぁっ。す、すみません。そういうつもりでは、なかったのです。本当にすみません」
「ぃ、いえ、こちらこそすみません。アルフレッドさんが忘れずにいてくれるのは、嬉しいんですよ? あの言葉を真摯な瞳は、それこそ一生忘れられ――」
「うあああああああああああああああああああああああ恥ずかしいから止めてくれぇえええええええええ!! 今は無理今は無理今は無理今は無理今は無理だぁ!!」
お互い途中で照れてしまい、失敗。
その後も2人は何度も改善を試みましたが、失敗の連続。そのため、
((やっぱり……。時間で解決するしかなさそうだね……))
((やっぱり……。時間で解決するしかなさそうだな……))
リルとアルフレッドは諦め、そろそろ帰ろうと揃って踵を返します。そして――。その直後、でした。
とある光景を目の当たりにしたことにより、2人にとある衝動が芽生えるのです。
『キース。いま、とっても幸せっ』
『オレもだよ、ダイヤ。最高だ……っ』
先ほど周囲でイチャイチャしていた、20代前半と思しき男性と女性のカップル。彼らは引き続きイチャイチャしており、仲良くしっかりと手を繋いでいたのです。
((((恋人繋ぎ……っ。やっ、やってみたい……!))))
折角恋人になれたのだから、なにか思い出を作りたい――。そんな思いがあったため、リルとアルフレッドは即座に動き出します。
馬車に戻るまでに、恋人繋ぎをする。
こうして2人の、それぞれであり共通の目的を達成するための戦いが、幕を開けたのでした。
「大変濁っておりますが、絶妙な風情ですね。リルさん」
「「ほほほほほほほほほほほほほほほほっ。ほほほほほほほほほほほほほほほほっっ!」」
2人がデート兼ギクシャク解消のため歩き始めて、8分程が経過しました。
ですが、一切好転せず。相変わらず、不可思議な台詞と愛想笑いが続いていました。
((ど、どうしよう……っ。折角アルフレッドと恋人になれたのに、恋人っぽいことができない……っ))
((ど、どうしよう……っ。折角リルと恋人になれたのに、恋人っぽいことができてないぞ……っっ))
早く、なんとかしないと――。リルとアルフレッドは心の中で頭を掻きむしり、その切っ掛けを探っていました。
((このままじゃダメ。あたし達って、どんな風に喋ってたんだっけ……?))
((このままじゃ駄目だ。俺達って、どんな風に喋ってたんだっけ……?))
相性ピッタリな2人は同じように悩み、考え、アレコレ試み始めます。
「あ、アルフレッドさん。こうして歩いていると、あの日を思い出しますわね」
「あ、あの日、ですか? ど、どの日でしょうか? リルさん」
「あの日といえば、あの日ですよっ。ほら、あの日ですよ。あの日は…………………ごめんなさい。なんでもありません」
緊張して自分が何を言おうとしていたか分からなくなり、失敗。次は、アルフレッドが動きます。
「いや~、さっきは嬉しかったですね――ゴホン。う、うれ、嬉しかった、なぁ。嬉しかったなぁ! 涙をこぼして飛び込んできてくれた光景は、一生忘れられない――」
「きゃああああああああああああああああああああああ恥ずかしいからやめてぇえええええええええええええええええええええええ!! 今は無理今は無理今は無理今は無理今は無理ぃ!!」
「ぁっ。す、すみません。そういうつもりでは、なかったのです。本当にすみません」
「ぃ、いえ、こちらこそすみません。アルフレッドさんが忘れずにいてくれるのは、嬉しいんですよ? あの言葉を真摯な瞳は、それこそ一生忘れられ――」
「うあああああああああああああああああああああああ恥ずかしいから止めてくれぇえええええええええ!! 今は無理今は無理今は無理今は無理今は無理だぁ!!」
お互い途中で照れてしまい、失敗。
その後も2人は何度も改善を試みましたが、失敗の連続。そのため、
((やっぱり……。時間で解決するしかなさそうだね……))
((やっぱり……。時間で解決するしかなさそうだな……))
リルとアルフレッドは諦め、そろそろ帰ろうと揃って踵を返します。そして――。その直後、でした。
とある光景を目の当たりにしたことにより、2人にとある衝動が芽生えるのです。
『キース。いま、とっても幸せっ』
『オレもだよ、ダイヤ。最高だ……っ』
先ほど周囲でイチャイチャしていた、20代前半と思しき男性と女性のカップル。彼らは引き続きイチャイチャしており、仲良くしっかりと手を繋いでいたのです。
((((恋人繋ぎ……っ。やっ、やってみたい……!))))
折角恋人になれたのだから、なにか思い出を作りたい――。そんな思いがあったため、リルとアルフレッドは即座に動き出します。
馬車に戻るまでに、恋人繋ぎをする。
こうして2人の、それぞれであり共通の目的を達成するための戦いが、幕を開けたのでした。
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