わたしとの約束を守るために留学をしていた幼馴染が、知らない女性を連れて戻ってきました

柚木ゆず

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第39話 一致している、ふたりだから リュクレース視点

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「……………………。ええっ!?」

 発生源はわたしの自室なのに、お屋敷全体に聞こえてしまうほどの大声。おもわずそんな大音声が出てしまった切っ掛けは、お父様から渡されたお手紙にありました。

「お帰り、リュクレース。フィリベール殿から手紙が届いているよ」
「ただいま戻りました。お手紙、ですか……? ありがとうございます」

 招待されていたお茶会から戻ると清潔感のある封筒を渡され、わたしは急いで服を着替えて汗を流し、お部屋で開封しました。そうすると、その中にある真白の便箋には――

《リュクレース様にお伝えしたい、とても大事なお話がございます。
 明日10月20日の『合わせ』の前に――正午に、マトローシュルズ湖に来ていただけますでしょうか?》

 ――突然の提案をお詫びする文章のあとに、そういったものが記されていたのでした。

「…………………………」

 大声を出してしまったあと、目を丸くして口をポカンと開けたまま固まる。このようになっている理由は――このような内容のお手紙をいただいたから、ではありません。
 もちろんそちらも驚きなどを生んでいますが、一番の理由はソレではないのです。
 わたしがこうなっている、一番の理由は――

「…………………………おんなじ、です……」

《フィリーベル様にお伝えしたい、とても大事なお話がございます。
 明日10月20日の『合わせ』の前に――正午に、マトローシュルズ湖に来ていただけますでしょうか?》

 ――わたしも、同じ内容のお手紙を送っていたから。
 手紙だとあの気持ちを早く伝えることができますが、やっぱり文字ではなく直接声でお伝えしたかった。ですので『お会いしたい』とだけ、送らせてもらっていたのです。

「…………………………こんなことって、あるんですね……」

 わたしが送ったお手紙は、ちょうど今頃届きます。つまり内容だけではなく、送ったタイミングも同じ。
 そんな嘘みたいな事実に、さらに驚き――おもわず笑みが零れ、わたしは紙面をそっと指でなぞりました。

「あったかい、文字ですね」

 とても大事なお話。
 それには悪い可能性も含まれます。
 けれど、文字を見ていたら分かりました。
 ですのでわたしは、お手紙をぎゅっと抱き締めて――





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