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第15話 愚者のその後 俯瞰視点

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「くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「くそがあああああああああああああああああああああ!!」
「ああぁああああああああああああああああああああぁ!!」
「くそぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 4人が劇的な再会を果たしてから、二年後。今日もサンテールズにある建物からは、4種類の怒声が響いてきていました。

「どうして俺がこんなことぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「どうしてわたしがあああああああああああああああああああああ!!」
「どうしてわたくしがぁあああああああああああああぁ!!」
「どうして俺がぁああああああああああああああああああああああああああ!!」

 激怒の理由は、今4人が行っている邸内の清掃にありました。
 4人が暮らしている建物は、かつてケヴィックが建てた豪華な別邸。広々としたつくりにしてしまったせいで、毎日全員で必死に掃除をしないと合格点をもらえなくなっていたのです。

「ケヴィックぅぅ! お前のせいだぞおおお!!」
「ケヴィック! 貴様のせいだぁあああああああああ!!」
「ケヴィックっっ! あんたのせいよおおおおおおお!!」
「やかましい!! 黙ってそうじしろおおおおおおおお!!」

「誰に向かって口をきいてるんだ! 男爵風情が!!」
「わきまえろ!!」
「そうよ低位貴族!!」
「黙れ!! 今はお前らも平民だろうが!! いつまで貴族気取をしているのだ見苦しいぞっ!!」

「なんだと!? もう一遍言ってみろ!!」
「なんでも言ってやるよ! いつまで貴族気取りをしてるのだ見苦しいぞバカどもが!!」
「貴様バカと言ったな!?」
「いい加減にしなさいよ!! もう許さないわ!!」

 そうして4人は手を止め、取っ組み合いの喧嘩を始めます。
 ですが――こんなことをしていたら今日のノルマが終わらず、食料の調達もできなくなってしまうことを思い出します。

「くそぉっ。くそがあああああ!!」
「くそがああ!!」
「きぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「ああああああぁあああああ!!」

 そのため渋々持ち場に戻り、

「なにもかもアイツらのせいだぁああああああああああああ!!」
「死ねっ! 死ねっ!」
「苦しんで死ね!」
「偉大な父と伯父様をこんな目に遭わせやがって! アンっ、エリオッツ! 地獄におちろぉぉおお!!」

 最後は4人仲良く、共通の敵に向けて呪詛をぶつけます。



 イブライム、ダニエル、アリックス、ケヴィック。かつて貴族だった4人は今日もまた醜い絶叫を続けます。
 同時刻。
 とある場所では、そんなアンとエリオッツにあることが起きているとも知らずに――

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